どうも、山田店長(@yamada_tencho)です。

ブラック企業で働くデメリットは皆声高に言うけど、本当にメリットってないのかなぁ?
そんな疑問を持たれたことはないですか?
今はすっかりホワイトなのですが、実は私が今店長として働いているこの会社、数年前まで超絶ブラックでした。
ブラック企業の定義もいろいろでしょうが、ざっくり言うと・・・
・基本労働時間は14時間/日
・盆正月は繁忙期なので当然休みなし
・基本終電までには帰る
・数字(結果)が全て
・タイムカードはなく手書きの出勤簿だった
当然、上司からは全く理解の出来ないパワハラも相当ありました。
さすがに暴力はなかったのですが、精神的に病んで突然いなくなる人も大勢いました。
そんな会社も今ではホワイト企業になり、定時になると「まだ帰らないの?」などと言われます。
一昔前には絶対にありえなかった環境です。
まぁ良い意味でホワイト企業になったのですが、実は自分はそんなホワイト企業になった事に対してデメリットも感じています。
ブラック企業からホワイト企業になったからいいんじゃないの?と思われるかもしれませんが、私的にはそうでもないんです。
ここでは
・私が思うブラック企業で働く本当のメリット
・私が危機感さえ感じるジレンマ
これらについて触れています。
基本的にブラック企業は悪ですし、ブラック企業で働く事を推奨するつもりもありません。
あくまでも、私の社会人としての経験上の話ですのでご了承くださいませ。
ただ、これに共感いただける方もある一定数いらっしゃると思うので、今回の記事を書かせていただきました。
一般的なブラック企業で働くメリット

一般的なブラック企業で働くメリット
他のブログなんかでも紹介されていますが、過去自分が働いていた環境で得たメリットも以下の通りでした。
ブラック企業で働いてなんの利益があるんだ?と思われる方は一度目を通してみてください。
賛否両論色々あるとは思いますが、そういう考え方もあるんだなぁと思ってもらえればいいかと思います。
ブラック企業で働いたという実績
いわゆる勲章的なやつです。
過去の事になったから言えることなんですが、自分も今思えば相当な労働環境でしたので過去の栄光だと履き違えて口にしたこともあります。
ホワイト企業で働く人からすると、何の自慢話でもありませんよね。
ただ意味合い的には、
ブラック企業で働いた事がある、というのはこれと同義語です。
高校野球も最近はホワイトになってきましたが、昔の気合と根性の精神論ありきの頃もご存知かと思います。
それと同じです。
辛い事にも耐えて来たから、今現在では少々の事でも耐える事が出来るという謎の耐性が付いた、というだけの事です。
これをブラック企業で働くメリットと言えるかどうかは数年後の自分次第といったところでしょうか。
肉体的にパワフルになった
良い悪いはおいといて、ブラック企業で労働することで、肉体的に強くなる人もいます。
逆に言うと、もともと強くないと働く事ができないのかもしれませんが、私は強くなった気はします。
遅寝早起きでも、すこぶる体調は良好です。
これをブラック企業で働くメリットと受け取るかどうかも疑問ではありますが、結果的に今思えばという前提ですが、これはこれであてはまります。
精神的にもパワフルになった
私は、いわゆる豆腐メンタルから脱却出来ました。
ブラック企業入社前までは、どちらかというとメンタルがお豆腐状態だったのですが、今ではすっかり鉄のメンタルです。
基本ネガティブに考える事もないですし、理不尽な事を言う上司がいても、なぜこの人はこんな事を言うのだろうか?
この人がこう言わざるを得ない環境になったのはなぜなんだろうか?
そんな風に考えるようになり、感情ありきではなくある一定理屈と理論で考えるようになりました。
感情的になっても得るものはないと気付けた事は、ブラック企業で働いた際に得たメリットかもしれません。
残業耐性が付く
そんな耐性必要ないだろうと思われるかもしれませんが、これはこれで気持ちの余裕が出来ます。
というのも、いくらホワイト企業でも私の会社は小売業ですので、当然繁忙期になれば残業も発生します。
これはそういう業種なので仕方の無いことです。
そんな繁忙期に残業をしても、ブラックの頃に比べたらこのくらいの残業なんてどうという事はない。
そう考えられるようになりました。
ブラック企業を否定される方はこの考え自体を否定されるでしょうが、かつての高校球児が社会人になって、
と思うのと同じ感じです。
過去のあの経験があったから、今のこの環境を乗り越えられる、という感覚です。
過去のその経験は必要ないし、そんな経験がなくても今の環境を乗り越える事が出来る、という方もいらっしゃるかもしれません。
ですが、あくまでも私個人の意見としては、高校球児の感覚に似ているんです。
ストレスに強くなる
ブラック企業で労働すると、肉体的精神的に耐性が付くということと、あらゆるストレスに強くなります。
当然、そんなストレスで病んでしまう人もいます。
それは重々承知の上ですが、私自身は潜在的に耐性があったのかもしれませんが、あの時の経験があったからこそ今でも少々の事ではへこたれなくなってきました。
それが、ブラック企業で働くメリットかというとそもそも論なのかもしれませんが、結果としてはメリットになっていると思います。
今でも時々思い出す事があります。
あのブラックな時代を考えれば、今がどれだけ恵まれた環境なのだろうか、と。
社内営業がうまくなった
ブラック企業で働くと社内営業がうまくなるとよく言われます。
それは、なぜか?
そうでもしないと仕事が進まないからです(笑)
自分ひとりで抱え込むと前に進めないから、必然的に誰かに頼らないといけなくなります。
ただ人に仕事を押し付けるだけだと誰も助けてくれないので、例えば事務員さんには休憩中にお菓子をおすそ分けしたり、同僚が困っていたら自分が積極的に手を貸すようになりました。
自分が自分がという思いよりも、周りを巻き込んで仕事をしようという気持ちが強くなります。
中には、誰かを踏み台にして・・・と思う人もいるのかもしれませんが、周りを巻き込んで仕事をこなすことで、仕事にやりがいを見出していました。
結果として社内営業がうまく出来るようになり、当時の経験が日本人の大好きな根回しを習得する事にも繋がりました。
なくなりつつあるブラック企業で働く本当のメリット

なくなりつつあるブラック企業で働く本当のメリット
ここまでは、自分も含めブラック企業での過去の労働をプラスとして今現在捉える事が出来ている人の意見です。
人によっては、これらの労働で肉体的にも精神的にもストレスとなって耐え切れなくなる人が多いのも現実です。
もはや社会問題として取り上げられるブラック企業ですが、個人的に自分が思うブラック企業で労働する事の本当のメリットを紹介します。
様々な意見があるのは承知ですが、自分としてはこの事について日々もどかしいジレンマを感じて悶々としています。
思う存分働ける環境がなくなった
自分が今勤めている会社はブラック企業からホワイト企業に一気に変わって行きました。
残業していると早く帰れと怒られるようになりました。
数年前は、社内で一番最初に退勤する事をためらって、誰が一番最後まで残っているかを競っていたほどです。
上司に退勤を告げると「えっ、もう帰るの?」的な事を言われていました。
それが手のひらを返したように一変しました。
手描きの出勤簿もなくなり、一般的な磁気性のタイムカードに変わりました。
毎週休みは1日だけだったのに、週休2日の月9回公休を取れるようになりました。
周りからすると大きく労働環境が変わったので、いい事だとして受け入れられています。
ただ、一部の人でこう思っている人がいます。
「もっと働きたいのに・・・」
これは、いわゆる社畜的発想ではなく、自分の可能性を広げるためにもっともっと業務を習得する時間が欲しい、と思う気持ちです。
野球で言うなら、居残りでもっと素振りや筋トレをしたい。
そんな思いと同じです。
もっと働いてもっといろんな業務を習得したい。
でも時間がない。
上司には帰れって言われるし・・・。
自分はいつしかそう思う立場から、そう思わせる立場になってしまいました。
私「残業はダメ、残りは明日にして今日は帰るように」
完全ホワイトになるまでは、そう言われたら
「よし、じゃあ一緒にやろう!」
と言って、いろんな仕事を教えていたものです。
伸びる才能をどこまで伸ばせるかを、自分自身の課題としてもいました。
ブラック企業で働けば、こういった問題はある意味解消されます。
これが、自ら自発的に自身の向上のために時間を要する若者にとっては、ブラック企業で働くメリットと言えばメリットなのではないでしょうか?
若者に環境を与えられないジレンマ
現在は、自身の成長のために向上心を強く持つ若者に環境を与えられないジレンマを感じています。
居残り練習をさせてくださいという選手に、そんな事はいいから帰れという監督の気分です。
人よりも成長したいと思えば、必然的にその事にどれだけ時間を費やせたかというのがひとつの指標になるのは必然です。
仕事というのは、限られた時間の中でどれだけのパフォーマンスを示す事が出来るかが重要。
それもわかっています。
でもね、でも、やっぱり自己研鑽のために時間を必要とする若者の出る杭を打っていないだろうか?
そんな自問自答を日々しています。
一般的に言われる健全な労働環境が、全ての労働者に対して健全なのでしょうか?
自身のさらなる成長を望む若者が私の会社には多く存在します。
うちの会社はかつてはそんな若者の受け皿としてはぴったりの会社でした。
しかし、今ではそんな若者が成長出来る環境を自分は与えられているのだろうか?
時間を与えるだけが労働環境を作る事ではない、それは承知しています。
ただ、求める者がいて与える者がいない。
それは雇用者と被雇用者の関係としては、どちらかというと望ましくないのではないだろうか?
ホワイト企業で働く事がデメリットで、ブラック企業で働く事をメリットだと思っている人もいるのではないだろうか?
昨今、働き方改革が叫ばれています。
そもそも働き方改革って、何でしたっけ?
長時間労働の是正は内容として盛り込まれています。
線引きが難しいのは承知しますが、これの補足として「本人の望まない長時間労働の是正」という訳にはいかないだろうか?
「本人の意図しない長時間労働」については是正されるべきだとは思いますが、本人が自ら選択する労働時間については会社がより許容範囲を認めてあげられる環境に出来ないものか・・・。
誤解を招きたくはないのですが、私が自己研鑽をしまくっていた頃は、月40時間の残業くらいじゃ全く足りませんでした。
1日をやりきった達成感は月40時間じゃ得られませんでした。
当時はブラック企業だった私が勤めている会社ですが、今ではその経験が自身にとってメリットだったと言えます。
一言で言うと単純に「個人差」という事になるのでしょうが、どうにかしてこのジレンマを解決出来ないものでしょうか。
どうしても今の現状が、出る杭を打つという状況に思えて仕方がないのです。
まとめ
最後は偏った意見になってしまったかもしれませんが、ここまでをまとめると・・・
ブラック企業で働くメリットは
・自身の能力の限界を知る事が出来る
・自身の成長のための時間を確保する事が出来る
労働の対価として賃金は支払われます。
その対価である賃金が正当に支払われていなかったり、本人の望まない環境での長時間労働が社会問題となっています。
個人的に危惧するのは、
という事です。
自分は良い意味でブラック企業で成長する事が出来ましたので、それをブラック企業で労働することのメリットだと思っています。
それをこれからの若者に強要するつもりは毛頭ありません。
ただ、伸び代のある人材の出る杭を打つ事だけはしたくないのです。
ですが、その仕組みを作る事が自分には出来ません。
そんなジレンマに頭を抱えつつ、今日も若者の伸び代を伸ばすために奮闘します!
コメント
私も超絶ブラック企業で働いてました。
仕事の出来る出来ないで暴力発生装置付きの企業でした。
私は暴力は振るわれた事はないですが、対価としては人並み以上に納得出来る給料を貰ってましたし、特に休みに何しに行く訳ではないし、休み返上でも気にしてなかったですし今いる企業がぬるく感じてしまうので戻ろうかな?と思ってしまいます(笑)
スパロボ好きの名無しさん
コメントありがとうございます。
労働=対価として納得出来れば、それが一番本人にはメリットだと思うんですが、なかなかそうはさせてくれないのが今の風潮です。
「働き方改革」とは言うものの、そういった意味での「働き方改革」というのはやはり難しいみたいですね。
私は、このまま冷蔵庫の中のしなびた菜っ葉になりたくない、そう思える人材の「出る杭を伸ばす企業」に今でも憧れます。
この記事を読ませてもらい、高校球児の感覚に共感しました。
社会人12年ぐらいになるものです。
新卒で入った会社がブラック企業で5年程勤めてました。
今の会社はホワイト気質で、地獄を知らない若い方を羨ましく思うこともあります。
時々、あの過去の地獄の5年間は必要だったのかなと、もっと早くに転職して良い会社へ探せばよかったかなと思うことがあります。
心の中であの理不尽の中で奴隷のように毎日働いていたことは意味があったと肯定したいと思ってます。今でも忘れることのできないあの嫌味な上司も許したいと思ってます。
良い考え方ありますでしょうか。
ただあの日があったからこそ今をホワイトに感じ、他の人よりも耐え抜くメンタルは強いと自負しています。
Morisiさん
コメントありがとうございます。
大前提として、「今の自分があるのは過去の様々な経験があるから」だと私は思っています。
その過去が黒歴史だろうがなんだろうが、です。
過去を否定することは、今の自分を否定することにもなりますからね。
変な話ですが、あの嫌味な上司がいたからこそ今の自分があると思えるかどうかなのかな、と。
大事なのは、自分が経験したあれやこれやを、今の若者に強要したり美談として語らない事だと私は思っています。
自分が若い頃感じたように、大人の過去の武勇伝ほどどうでもいいものはないですからね笑