どうも、山田店長(@yamada_tencho)です。
2020年初めから流行した新型コロナウイルスも、2023年5月から感染法上の分類を2類相当から5類相当へ移行されました。
また、入国規制についてもコロナ前と同等程度まで緩和されて来たということもあり、コロナ禍以降落ち込んでいた日本国内への外国人観光客も回復の兆しが見えてきました。
そんな中、コロナ前もしくはそれ以上のインバウンド需要を獲得するために今、小売店が準備すべき事について解説します。
最低限の準備は出来ているか?
新型コロナウイルスが流行してから、以前の外国人を意識した売り場作りからすっかり日本人向けの売り場に戻ったかと思います。
外国人が好んだ日本風情あふれる商品や、高額ブランド、メイドインジャパン商品等が全く売れなくなりました。
ところが、新型コロナウイルスが海外でも落ち着きを見せ国外旅行が復活してきており、日本への観光客も戻ってきました。
ただ、いきなり外国人観光客が戻って来たからと言って、すぐにまた売り場をインバウンド向けに変更できるかというとそうではないですよね?
では、増加するインバウンド需要に向けてまず何が必要になるのか確認していきましょう。
外国語を話せる従業員がいるか?
インバウンド需要で人気となったお店では、新型コロナウイルス流行に伴いインバウンド需要が減ったことで、外国語を話せる従業員の活躍の場が減りました。
これまでインバウンド客の接客を主にしていた外国人従業員が、次なる職場を求めて職を変えざるを得ない状況でした。
ところが、2023年になってからまた、外国人観光客が日本に戻り始めてきました。
外国人観光客が戻って来たからと言って、じゃあすぐに外国語を話せる従業員を再雇用できるかというとそうではありません。
だからと言って日本人従業員に今から外国語教育するのはコスパが悪すぎます。
じゃあすぐに外国語を話せる従業員を雇用できるかとそうではありません。
やはり母国語として英語や中国語等の外国語を話せる従業員を雇用する方が確実です。
なかなかジレンマはあるかと思いますが、まずはインバウンド客に向けた外国語を話せる従業員の雇用を進めましょう。
一方で、最近はスマホの翻訳アプリが意外と優秀です。
アプリによっては、ほぼ同時通訳のような形で使えるものもありますので、こちらについてはすぐに導入することをおすすめします。
とはいえ、やはりそこはアプリなのでまだ完璧ではありません。
ですが、接客のフォローをするという意味では必要十分な機能のあるアプリも多いので、ぜひ探してみてはいかがでしょうか?
免税販売手続きの円滑な業務が出来るか?
新型コロナウイルスが流行する前は、たしかにインバウンド需要が大きく売上の大部分を占めていた、なんてこともあったかと思います。
売上が大きく伸びるのは良いのですが、その際に一番苦労したのが煩雑だった免税販売手続きです。
都度パスポートを確認し、レシートを添付し、レジ袋も別で用意して封印をして・・・。
とにかくレジでの販売手続きに時間を要していましたよね。
それが、2020年4月1日から免税販売手続が電子化されました。
新型コロナウイルスが流行してしばらくしてからなので、ご存じない方も多いかもしれません。
2021年9月30日までは猶予期間でしたので、まさにコロナのど真ん中でこの制度がスタートしたということになります。
逆に言うと、新型コロナウイルス流行中だったがために、免税販売電子化の準備が進んでいない小売店もあるのではないでしょうか?
これまでの紙ベースでの管理から電子化されて、本当に今までの苦労は何だったんだ?と思えるくらいに進化していますので、早急な導入をおすすめします。
今ではスマホでも免税販売ができるようなので、ぜひインターネット等で調べてみてください。
今後ますます需要の増えるインバウンドに対応するには必須ですので、まずは免税販売の電子化を進めていきましょう。
店内の外国語表記POP関連見直し
翻訳アプリや外国語を話せる従業員がいたとしても、これがなくては始まりません。
新型コロナウイルス流行後、売り場からなくなってしまった外国語表記POP関連の再導入です。
店の外に向けてもそうですし、店内についても同様です。
外国人観光客は日本人観光客よりもフレンドリーで何でも聞いてきます。
そのため、店内での外国語表記POPを軽視しがちですが、全ての外国人がなんでも声を掛けて聞いてくれるわけではないですからね。
また、店頭の看板を見て英語表記がないことが原因で隣の英語表記のある店に行こう、となる可能性は否定できません。
そうならないためにも、店内・店外どちらにおいても外国語表記の販促物やPOP関連の準備を怠らないようにしましょう。
訪日外国人客が求める商品を品ぞろえ出来ているか?
接客する人と販売するためのツールを揃えつつも、一番大事なことは商品の品ぞろえです。
コロナ前と後とで需要も変わって来ているというのは周知のことかと思います。
コロナ前はとにかくメイドインジャパン製品が一番人気でした。
日本製ということがブランドとなり、実際に性能や品質もよかったからです。
ですが、アフターコロナの今、訪日外国人客が求めるのは、日本でしか体験できないこと、日本でしか買えないもの、という風になっています。
また、国ごとでも売れるカテゴリが少し違ってきますので、そのあたりを少し詳しく解説します。
鉄板商品は変わらずですが・・・
まず、コロナ前から人気のあった商品で今でも売れるのは、お菓子関連です。
中でもグミや抹茶や桜フレーバーのお菓子です。
このあたりはもう鉄板です。
品揃えとしてマストで抑えておきましょう。
そして、最近人気なのがとんこつが人気のラーメン店のカップ麺です。
このカップ麺は味の再現度が非常に高く、日本人にも人気なのですが訪日客にはさらに引き合いの強い商品となっています。
さらに細かく見ていくと、各国ごとでややトレンドが違っており、いわゆる売れ筋にも違いがあるので、そちらを紹介します。
韓国人に人気の商品とは?
例えば韓国の訪日外国人に人気なのは、断トツで国産某社のウイスキーです。
韓国の著名人がこのウイスキーでハイボールを愛飲しているということで人気に火が付き売れています。
また、韓国国内で買うよりも、日本で買う方が圧倒的に安いということも人気の後押しとなっているようです。
韓国で人気のグミが日本で流行ったように、日本の商品もまた韓国で人気となっているというのは、食文化の交流のような様相もあり、売る側としてもなんだかうれしいものです。
では、最近増えている東南アジアの訪日外国人についてはどうでしょう。
アジア系外国人が好むカテゴリは?
特筆すべきはタイからの訪日外国人観光客です。
ご存じの方もいるかと思いますが、タイは美容大国です。
LGBTQにも寛容な国ですし、とにかく男女ともに美に対する意識が高い。
そんなお国柄もあってか、日本の国産の理美容品がタイの訪日外国人には人気です。
家電はもちろん、健康食品関係も人気です。
一方、同じ東南アジアでもフィリピン・ベトナムはやや異なります。
コロナ前に来日できなかった方がコロナ後に来日されており、売れ方としてはコロナ前から売れている食料品を中心に売れています。
気になる中国人観光客のお目当ては?
そして最も気になる中国からの訪日外国人客ですが、記事執筆現在(5月中旬)ではまだ中国からの団体旅行が解禁されていません。
一部個人旅行客はいますが、以前ほどの客数には到底及びません。
ですが、個人で来日される中国人観光客は高額品を購入される傾向があります。
特に高額ブランド品、また高額酒も人気です。
いわゆる客単価は他国の訪日外国人よりも圧倒的に高くなっています。
とは言え、どうしても来店客数がそこまで伸びていないのが現状です。
ただし、中国からの団体旅行が解禁されれば、今よりもさらなる売上増が見込めるのは間違いありません。
欧米訪日外国人にはコンテンツ関連が圧倒的人気
最後は欧米訪日外国人です。
テレビ等でもたびたび放送されていますが、欧米の方にはとにかくコンテンツ関連が大人気です。
アニメや漫画、ゲーム関連コンテンツは、国内需要よりももはや外国人需要の様が大きいとさえ感じてしまいます。
古くから人気のある漫画のグッズや、現在放送されているアニメも人気です。
これはコロナ前もそうでしたが、日本のコンテンツがいかに海外で人気であるのかを肌で感じます。
では、今後さらなるインバウンド需要増に向けてすべき事は何でしょうか?
さらなるインバウンド売上増のためにすべき事とは?
何はなくともインバウンドに期待されるのは、中国人団体客の復活です。
これまでは中国富裕層の方が来日されていましたが、これが団体旅行が解禁になると中流階級の方も来日されるようになります。
当然客単価は下がってきますが、圧倒的な来客数が見込めます。
それに向けて中国語を話せる従業員の雇用であったり、中国語での販促物・POPの見直しは必須です。
もし団体旅行が解禁になったとしても、売れ筋はコロナ前と大きく変わって来ないかとは思います。
コロナ前に来日できなかった方が順番に来日されるイメージです。
そう考えると、コロナ前にしっかりインバウンド需要の恩恵を受けられていたお店であれば、その頃の品ぞろえを意識されれば結構かと思います。
ただし、あくまでも中国人団体旅行が解禁されるという前提です。
また、上記のように国籍別で趣向やトレンドも違って来ていますので、あなたのお店が
・どこの国籍に強い品揃え・サービスが出来るのか?
このあたりを自己分析した上で、さらなる訪日外国人観光客の取り込みができるように売り場作りをしていってみてはいかがでしょうか?
カテゴリー