どうも、山田店長(@yamada_tencho)です。
突然ですが、万引きの年間被害額っていくらかご存知ですか?
判明しているだけで年間約4500億だそうです。
ちなみに、2017年のオレオレ詐欺の被害額が400億です。
ちょっとにわかに信じがたい金額ではありますが、当然4500億という数字には判明していない被害もあるでしょうから、実態はもっと多く見積もる事ができるのかもしれません。
ここまでなってくると、もはや国家レベルでどうにかして欲しいなどと、私も店を任されている身としては思ってしまうのですが、あなたはどう思われますか?
とはいえ、国家が動いてくれるはずもないので、自分の店は自分で守る。
そんな事はわかっているけど、具体的な万引き防犯対策ってどんなのがあるの?
万引き防犯対策については、会社のマニュアルではどうしても不十分な部分もあるかと思います。
では、具体的にどうやって万引き犯から店の大事な資産(商品)を守ればいいのでしょうか?
ここでは、万引き防犯対策をなんとかしたいけど、コストがどのくらいかかるか分からない、という店長やお店の責任者の方のために、
・コスト別万引き防犯対策の方法
これらについて、分かりやすく解説していきます。
コストをかけずに万引き防犯対策する方法
ここではコストを基本かけずに出来る万引き防犯対策となります。
コストの計算をする前に、まずはこれらを試してみるといいかと思います。
お客様の目を見て「いらっしゃいませ」と言う
一般のお客様は、これをされると気持ち良く買い物が出来ます。
万引き犯は、これをされると顔を覚えられてしまうので、非常に嫌がります。
万引き犯に聞いた!万引きされやすい店の意外な特徴とは!?の記事でも紹介した、万引きされやすい時間帯にはこの声かけが有効です。
手ぶらのお客様にかごを渡す
万引き犯はとにかく従業員と関わるのも好みません。
なぜなら顔を覚えられるからです。
逆に言うと、従業員側から怪しい人になんとか接触する事が出来れば、事前に万引きの抑止にもつながるはずです。
そこでコストをかけずにすぐ出来る有効な手段が、手ぶらのお客様に買い物かごを渡す、という事です。
一般のお客様であれば、気の利く店員さんだと思ってもらえます。
一方、万引き犯は当然嫌がります。
万引き抑止の基本は、この「万引き犯の嫌がる事」をする。
これに尽きます。
店内放送で警察の呼び出しをする
業界の人からすると古典的だと思われるかと思いますが、不定期でこれをやると効果的だと思われます。
具体的に何をするかというと、以下の内容を曜日・時間等不定期で店内放送するだけです。
「○○警備の▲▲さん、事務所までお越しください。」
常習犯には正直効果は薄いかもしれませんが、これからやろうと思っている初犯の万引き犯に対する抑止力としては一定の効果は期待できると思います。
とにかく、万引き防止のためにやれる事は何でもやる、という姿勢は崩さないにしないと、すぐに万引き犯の間であの店は万引きをやりやすい、と噂になってしまいます。
レジの位置を変更する
これはコストはあまりかかりませんが、労力がかかります。
まぁ、労力をかけるだけで万引きが減るならやらなきゃ損です。
具体的にどうするかと言うと、店舗規模とレジ台数にもよるのですが、レジを移動することで、可能な限り死角をなくします。
基本的にレジには誰かがいる前提ですが、レジの設置位置を変える事でレジから見える売場を可能な限り広げます。
当然万引き犯は、店員から見える所で犯行に及ぶ事はしません。
万引き犯の心理的にも、レジの位置が変わると、あっこの店万引きを意識し始めたな、と気付くはずですので、少なくともしばらくは万引き行為を控えるはずです。
商品の陳列場所を変える
商品には、万引きされやすい商品というのが存在します。
実際あなたのお店でもあると思うのですが、そういう商品はレジ前に置きましょう。
よくスーパーなんかでは、レジ前にガムや電池などが置かれていると思うのですが、あれって当然ついで買いの要素も多分に含んでいるのですが、万引き防止のためでもあるんです。
当然レジには常に人がいるかと思うので、万引き被害の多い商品については、レジ近くで商品陳列することで、大幅に万引きロスを減らせます。
コストをかけずに万引き被害を減らすには、これが実は一番効果的です。
コストを少しかけて万引き防犯対策する方法(~10万円)
概算ですが10万円くらいを目安に対策できる万引き抑止方法を解説します。
10万というと高額に聞こえるかもしれませんが、年間ロスを考えると意外と安かったりしますので、あなたのお店の年間損失額と是非比べてみてください。
防犯ミラーの設置
おすすめは↑みたいな防犯ミラーです。
サイズにもよりますが、大体1個1万円~が相場だと思います。
当然1個だけつけても効果は薄いでしょうから、可能であれば店舗の死角となる部分全てに設置が望まれます。
万引き常習犯にはそれほど大きな効果は期待できないかもしれませんが、学生などの初犯の万引き行為は抑止する効果は期待できると思います。
防犯タグを利用する
このタグを付けたままの商品を持って防犯ゲートを通過すると、防犯ブザーが鳴るといういわゆる防犯タグです。
えっ?うち防犯ゲートないけど??
と思われるかもしれませんが、なくても大丈夫です。
このタグを付ける事で、そのままでは商品として使用できない状態にできれば、それで効果ありです。
このワイヤーも切ろうと思えば切れますが、普通のハサミくらいでは切れません。
ワイヤーではなくピン仕様もあるのですが、これに至ってはむしろレジでのタグの外し忘れの方が怖いくらいです。
ですので、防犯ゲートを設置していないお店でも、これと専用の解除機だけ購入すれば、すぐに使うことが出来ます。
精算済みの専用買い物カゴを用意する(取手なし)
以前よりも最近は本当増えてきましたね。
買い物用と精算済み用のカゴが別なお店って見た事ありませんか?
こうやって、カゴを分ける事でひと目でお会計済みの商品かどうかが分かりますよね。
こうする事で、買い物用のカゴを持って店外に出るお客様にも声かけがしやすくなります。
ただ、余計なコストがかかるじゃないか、と思われるかもしれませんが、買い物カゴも消耗品なので、初期投資こそかかりますが、1回導入してしまえば後は楽です。
余談ですが、精算済み用のカゴには取っ手が付いていなかったりもします。
理由はご存知ですか?
実はこれ、買い物カゴ自体の盗難を防ぐためなんです。
商品の万引きもなんとか防ぎたいところではありますが、こういった買い物カゴの盗難も後を絶ちません。
ついでに、客用トイレのトイレットペーパーの窃盗もなんとかしたいところです・・・。
コストをそこそこかけて万引き防犯対策する方法(10万円~)
ここからはそれなりに費用をかけて万引き対する方法を解説します。
費用だけでなく労力と時間もかかりますが、限りなく万引きをゼロに近づけるための方法だと思ってもらえればいいかと思います。
防犯カメラを設置する
後々の事を考えると、やはり防犯カメラの導入は必須だと思います。
個人経営レベルの店舗であれば、↓のようなセキュリティカメラで大丈夫だと思います。
防犯カメラを設置するメリットは、やはり万引き犯に対する抑止力という意味でも十分効果があるのですが、実際は万引き犯を捕まえた後にあります。
店内にカメラを複数台設置していれば、万引き犯の動きが手に取るように分かります。
いわゆる犯行の手口が映像で見る事ができますので、次の万引き防止対策を練る事も出来るんです。
そして、何より防犯カメラの映像が動かぬ証拠となって、犯人検挙のための重要な武器にもなります。
この防犯カメラがあるのとないのとで、警察の動きも変わったりしますので、個人経営の方でも積極的に導入する事をオススメします。
私服警備員を雇う
いわゆる万引きGメンというやつです。
テレビでよく特集されてますよね。
まだ万引きGメンを導入された事がない店長・売場責任者の方もいるかと思いますが、実際あのテレビで見るまんまです。
うちの店では1日張り付いてもらったら、ほぼ1人以上は捕まえて来ます。
そのくらい万引き犯が多いというのも問題なのですが、ここではちょっと置いておきますね(汗
ただし、コストとしては契約内容にもよりますが、1人1日あたり2万円くらいは見ておいた方がいいと思います。
当然1日だけという訳にも行かないでしょうから、毎週最低1回入ってもらって、これを継続するといいかと思います。
そして、ここで捕まえた万引き犯はトコトンまで行ってください。
ちょっとした万引きくらいなら警察は、微罪処分で済ませようとしますが、被害届を出し逮捕してもらってください。
そうすることで、あの店で万引きして捕まったらトコトンやられる、という噂を広げるのです。
当然犯人からも拡がるでしょうし、店の従業員からも、うちの店長は万引き犯捕まえたらトコトンやる人だよ、と吹聴してくれるはずです。
万引き犯を捕まえるのは素人には困難ですが、やはりここはプロに任せてその後の部分で店長としての技量を見せ付けてやれば、未来の万引き犯に対する抑止としては、十分効果的だと思います。
まとめ
コストのかからない事からそれなりのコストのかかる方法まで紹介しましたが、個人的には防犯カメラの導入と万引きGメンがおすすめです。
防犯カメラは愚痴も言わず24時間365日働いてくれます。
万引きGメンはやはりプロです。
万引き犯を高確率で捕まえてくれますし、色々話を聞く事で防犯に対する様々な知識が身に付きます。
私自身、この万引きGメンの方から様々な事を教えてもらって、万引き対策のみならず、クレームの対応方法等も教わりました。
元警察官の方も居たりして、なぜ警察を辞めて万引きGメンになのか、みたいな話もなかなか聞けないので参考にさせていただきましたね。
ということで、
・それでも万引きが減らないようなら万引きGメンを雇う
というのがいいのかなと思います。
コストをかけて万引きロスを減らして、最終的な利益を以前よりも残す。
お店によって事情は様々でしょうが、是非あなたのお店でも検討してみてはいかがでしょうか?
参考記事
⇒【悪用厳禁】具体的な万引きの方法・手口を現役店長が徹底解説!
⇒【徹底解説】万引き発見時の超具体的な対応方法を解説します!
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