どうも山田店長(@yamada_tencho)です。
先日こんなクレームがありました。
「おいしくないからこれ返品して」
さて、このクレームを受けて、私はどうしたと思います?
100%お客様都合なのは承知の上です。
では、なぜこの返品クレームを受けたのか。
月商5億、従業員数300人以上を抱える店の店長を勤める私が、その3つの理由をお答えします。
結論:「おいしくない」という理由で返品を受けました
こんな100%自己都合のクレームですが、私は返品を受け付けました。
物はカレー粉でした。
新商品のカレー粉を試しに買ってみたら、「思っていた味と違っていた」との事。
残った半分のカレー粉を持って来て、返品して欲しいとの要望でした。
完全にお客様都合での返品クレームだったのですが、自分なりに考えた上で返品を受けました。
その理由は3つです。
①自分がお客様の立場だったらと考える
もし自分がお客様の立場だったらどうだろうか?
新商品なので試しに買ってみたものの、思ってた味と違った、という経験ありませんか?
確かに、これって誰にでもあると思うんですよね。
大抵の人は、
「買うんじゃなかった」
とか
「これは失敗だぁ」
と、思う事もあるはずです。
こういう時、普通は、「でも、仕方ないか」って自己解決しますよね?
だって、選んで買ったのは自分なんだもの。
でも、それでも、出来る事なら返品したくないですか?
まぁ、100円や200円のものなら面倒だと思うかもしれませんが、それでも出来ることなら返品したいですよね?
とはいえ、やっぱり自分が選んで買ったものだから、仕方なく返品とかしない訳じゃないですか。普通。
にも関わらず、この「おいしくないから」という理由で返品に来られたお客様は、相当おいしくなかったんだと思います。
そりゃあ、「おいしくないから」という理由で返品を受けていたらキリがないのですが、とはいえ、実際に自分がお客様の立場だったらと考えました。
もし、ここで店側がこんな理由で返品対応のクレームに応じてくれたら、そのお店のファンになるんじゃないだろうか?
私の仕事は、多くのお客様に支持を得て、店の売上を上げる事です。
ですので、お店のファンを作るためにも、この返品クレームを受けました。
②お客様をあくまでも性善説で考える
お客様の立場で考えて返品を受けた訳ですが、大前提はあります。
それは、「お客様性善説」です。
つまり、対象のお客様がクレーマーではない、という事が大前提です。
これは見分けるのが難しい場合も多いのですが、この場合ですと、とにかくまずお客様の事情を伺いました。
すると、
②中学生の子供も友達とよく来ている
③夫が忘年会の景品を昨年買いに来た
という、すでに当店のファンの方だったのです。
そう思うと、ひょっとしてお客様の心理としては、
「もしかして、このお店だったら、おいしくないからという理由でも返品を受けてもらえるかもしれない」
という、期待を持たれたのではないでしょうか?
さらに突っ込んで考えると、もしこんな理由でも返品を受けてくれたら、もっとこのお店のファンになるかもしれない。
そういった深層心理もあったかもしれません。
普通は、こんなクレーム受けませんよ。
でも、お客様性善説を元に考えた場合、お客様のこの期待に応える事が、さらなるファンの深化に繋がるのではないでしょうか?
そう考えた結果、返品対応させていただきました。
③さらなる売上UPのため
当然、ただ何も考えずに返品を受けた訳ではなく、その先も考えました。
どういうことかというと、返品対象の物はカレー粉だったのですが、その先です。
カレー粉を買う人は当然、肉・じゃがいも・にんじん等、他の商品も買われるはずです。
カレーを買うついでに、明日のパンも買うかもしれません。
じゃあ牛乳と、子供のおやつと・・・となるかもしれません。
そう考えると、いわゆる「損して得取れ」というやつです。
200円程のカレー粉の返品を受けることで、当店のファンを1人増やして売上を上げる事が出来る。
そう思うと、たったの200円の販促費です。
安いもんじゃないですか。
未来の売上のために投資をする。
経営者としては至極当然の考え方だとは思うのですが、いかがでしょうか?
最後にクギを刺すことは必須
以上のような理由で返品クレームを受けたのですが、とはいえ、こんな100%お客様都合のクレームを受けていいものか。
店のファンも増えて売上も上がるし、それはそれでいいのですが、また次同じクレームを言われたらどうしようだとか、他のお客様にも言われたらどうしようって、そりゃあ思いますよね。
そうならないためにも、このお客様に対して、返品を受ける際に以下のような条件をお伝えしています。
②今回限りの返品対応であること
③また来てくださいね♪
①と②はビジネスライクな口調で伝えます。
③はフレンドリーに伝えます。
こうやって釘を刺しておくことで、
「前にもやってもらった」
「あの人は返品してくれた」
というような、二次クレームを防ぐ事ができます。
それと当然ですが、こういったクレーム処理は、店長であるあなただけが行ってくださいね。
こういった判断をアルバイトや他社員が対応し始めると、それはそれで収拾がつかなくなる可能性がありますので。
あくまでも、店長の目と手の届く範囲での対応で収める事が重要です。
【まとめ】クレーム対応処理「おいしくないから返品」
今回このクレームによる返品はお受けしました。
理由としては、
②お客様をあくまでも性善説で考える
③さらなる売上UPのため
以上のような理由のためです。
マニュアルにはない内容だとは思いますが、臨機応変に対応する事で、お店の固定ファンを作る事が出来ます。
正直こういったやり方には賛否両論あると思いますが、こういった人間味のある経営を私は日々心がけています。
あなたが店舗運営をする際にも、マニュアルにはないからという理由でネガティブなお客様対応をする事があるかもしれません。
ですが、そんな時に私のこういった体験を思い出していただいて、
「お店のファンを作るためのヒント」
にしていただければ幸いです。
その他のクレーム関連記事
⇒店長のクレーム処理対応マニュアル~現実はそんなに甘くない!
⇒クレーム対応の仕方で客数が増えて店の売上が上がるって本当!?
⇒クレーム対応で実際にあった異物混入事案-まさかこんな物が!?
⇒クレーム処理の電話や対応を外注化するメリットとデメリットとは!?
⇒クレーム対応処理方法①~振り上げた拳の落とし所を提供する事
⇒クレーム対応処理方法②~賞味期限切れ商品販売時まずやるべき事とは!?
⇒クレーム処理対応方法④~「誠意を見せろ」に効く魔法の言葉とは!?
カテゴリー