どうも、山田店長(@yamada_tenchoo)です。
店長に最も必要な能力・スキルって一体何だろう?
誰か分かりやすく教えてくれないかなぁ。
店長職を長くやっているとよく聞かれる事があります。
自分はこの質問をされると必ずこう答えています。
えっ?マーケティングスキルやコスト管理能力じゃないの?って思われました?
いえいえ、そんな事よりも自分の感情をコントロールする事が、現場の店長として最も必要な能力・スキルなんです。
よくコンサルタントや専門家の方がおっしゃられるような店長スキルというのは、現場では二の次です。
私自身、月商5億従業員約300名の小売店で店長をやっていますが、現場で店長に求めらる能力・スキルとはそういう事ではありません。
ここでは、現場で実際働く店長として、本当に店長に必要な能力・スキルである「自分の感情をコントロールする事の重要性」について解説させていただきます。
考え方を少し変えるだけで、店長としての幅がグッと広がると思うのでぜひ最後までお付き合いくださいませ。
店長に最も必要な能力・スキルは感情をコントロールする事
店長に求められる能力・スキルとしてよく言われるのが、
・コスト管理能力
・リスク回避能力
・コミュニケーション能力
このあたりでしょうか?
たしかに店長になるにはこういった能力・スキルはあった方がいいと思います。
ですが、これらのスキルをすべて身につけてる店長なんて、自分の周りにはいません。
どれかのスキルが突出して秀でている店長はいても、これらの能力を全て習得している店長って実際いるのかさえあやしいです。
コンサルタントや専門家の方は皆、店長になるには上記のような能力・スキルが必要だと言われますが、店長に求められる最大の能力・スキルは
だと私は思っています。
これは、現場で嫌というほど実感した事です。
根本的に店長としてだけでなく、人の上に立つリーダーとして必要なスキルなんだと思います。
以下では、店長に必要なこの「自分の感情をコントロールするスキル」について詳しく解説します。
自分の感情をコントロールするスキルとは?
文字だけで感情のコントロールと言われてもピンと来ないと思われますので、具体的なシチュエーションにあてはめてみたいと思います。
対従業員編
例えば、まだ能力も未熟で一人前にもなっていない店のスタッフから突然
と言われたらどうしますか?
おいおいまだ半人前なのに給料を上げろだと?と感情的になるかもしれませんが、この時の店長の回答としては2パターンだと思います。
もうひとつが
このどちらかになるのではないでしょうか?
恐らく大抵が①の回答になるはずです。
普通はそうです。
その前にやる事がまだまだあるだろう!
と、思いますよね。
ですが、ここでぐっと自分をこらえて、なぜそのスタッフが給料を上げて欲しいと言ったのかに耳を傾けてください。
もしかしたら、そのスタッフはあなたの見えないところで評価に値する行動を取っていて、それにあなたが気付いていないだけなのかもしれません。
もしかしたら、そのスタッフの間接的要因による業績が大きくあったかもしれません。
もしかしたら・・・
あなたがそのスタッフの事を100%理解しているのであれば話は別なのですが、恐らくそうではないはずです。
あなたよりも人生経験が半分以下のアルバイトであっても必ずあなたよりも優れた部分があります。
私はそれに気付くまで時間を要しました。
そしてそれに気付いてから心がけた事が、店長として「自分の感情をコントロールする事」を磨くスキルを身につける事だったんです。
自分の言いたい事はちょっと置いといて、まずは相手の話に耳を傾けます。
すると、それまで自分が考えてもいなかったような意見を聞く事が出来たりもします。
なので、半人前のアルバイトやスタッフに給料を上げて欲しいと突然言われたとしても、まずはなぜそう思うのか?
まずはそのスタッフの言葉に耳を傾けてみてください。
ひょっとすると、思いもよらない返事が返ってくるかもしれませんよ。
参考記事⇒人材育成とは!?ポイントは「ある事」をして伸ばす方法にあり!
対お客様編
店長に必要なスキルとして自分の感情をコントロールするという意味では、お客様対応時がもっとも分かりやすいと思います。
クレーム処理対応方法④~「誠意を見せろ」に効く魔法の言葉とは!?の記事でも少し解説しているのですが、いわゆるクレーム対応時には、いかに自分の感情を押し殺して相手の話を聞けるか、それが重要です。
自分には一切非がなくても、頭を下げなければならない。
店長なので仕方がない。
でも、頭のどこかでは、「なぜ自分がこんな事をしなければならないのか?」といつも自問自答しています。
仕事だから仕方ない、と割り切れればいいのですが、何度も何度もこういう事があると、正直店長だって人間なので、相当参る事もあります。
そんな状況でもいかに自分の感情をコントロールできるか。
店長として求められるスキルとして私は不可欠だと思っています。
でないと、本当にメンタルがもたないですからね。
対取引先様編
これは店長だけに求められる能力・スキルというわけではないのでしょうが、いわゆる対人折衝能力になるかもしれません。
対取引先様との商談の中で有効なスキルがあります。
それが、相手の手札を先に出させる、という事です。
自分の感情をコントロールするというとちょっとずれるかもしれませんが、まずは相手の手の内を出させてそこから自分の求める着地点に近づけるためにどうするかを詰めて行きます。
自分の意見を言う前に人の意見を聞けるというスキル。
自分の感情を出すよりも先に相手の感情を出させる能力。
若干抽象的で申し訳ないのですが、私が取引先様と商談する際には意識しているのが、自分の感情(手札)よりも相手の感情(手札)を引き出す事です。
実際こうする事で、想定内もしくはそれ以上の成果を得られる事が多くなるはずです。
とにかく、まずは自分の意見・感情はおいといて、相手の話を聞いてから自分の求める条件を提示する。
対取引先様との商談時においては有効な手段ですので、ぜひ参考にしてみてください。
参考記事⇒バイヤー必見!商品を安く仕入れる具体的方法8選を紹介します!
一般的な店長に求められる能力・スキルはなぜ二の次なのか?
この記事の冒頭で、店長に必要な能力・スキルは二の次だ、みたいな事を言いましたが、なぜだと思います?
どういう事かと言うと、店長に必要とされる以下の能力・スキル
・コスト管理能力
・リスク回避能力
・コミュニケーション能力
そもそもこれらの能力・スキルを全て身に付ける事は不可能なんです。
それが出来ればスーパーマンです。
私自身大手企業で店長をしており、数百人の様々な店長を見て来ました。
そのどの店長においても、上記の店長に必要だと言われるような能力・スキルを全て兼ね備えた店長はいませんでした。
でも、いわゆるやり手の店長はいくらでもいます。
そのやり手の店長に共通の特徴は、店長に必要なスキル・能力を得るための情報を集める能力に長けているという事です。
つまり、自分に足りない部分を誰かに補ってもらえる環境を作る事を得意としているんです。
言い換えるならば、店長に必要な能力・スキルはそもそも自分ひとりで全て賄う事が出来ないので、
という事です。
そして、その組織を作り上げるのに必要な能力・スキルというのが、自分の感情をコントロールし相手の意見を引き出して、最終的に自分の求める着地点に導く事なのです。
まとめ
言い方は悪いかもしれませんが、
という能力・スキルが最も必要です。
そのためには上記で説明したように、自分の感情をコントロールしないといけません。
逆に言うと、
と思わせられるかどうか。
そう思わせられれば、自分ひとりでは成し得る事が出来ない成果を得る事が出来るはずです。
店長に求められる能力・スキルは様々ですが、結局はそこに行き着くと思います。
ちょっと立ち止まって考えてもいいかもしれませんね。
店長として、
自分のためにどれだけのスタッフが仕事をしたいと思っているのか
という事を。
この記事がそれを考える事のきっかけになれれば幸いです。