どうも、山田店長(@yamada_tencho)です。
万引きが後を絶たないんだけど、実際の万引きの方法や手口って一体どんなのがあるんだろう?
突然ですが、あなたのお店は万引きの被害額ってどのくらいでしょうか?
棚卸しでロスとなっている金額がひとつの目安となるでしょうが、その率が1%を越えていたりしませんか?
仮に1%だとしたら、一体売上のいくらを損している事になるのでしょう。
このロスを減らすのが店長の仕事でもあるのですが、その原因の多くを占めるのが、恐らく万引きによる外的要因が多いと思います。
私も月商5億の店の店長をしているのですが、この万引き犯の対応で1日を棒に振る事が度々ありました。
今はセキュリティ会社に万引き処理を任せているので煩わしい業務は減りましたが、それでも万引きによる店舗の被害は軽視できません。
そこで、ここでは
これついて具体的に解説します。
万引きの方法・手口については悪用厳禁ですので、間違ってもこれを実践しようなどと思わないようにお願いします。
万引き犯の実際の方法・手口~初級編~
まずは、万引き犯の初歩的な方法・手口を解説します。
難易度の低い順に解説しますが、これ以外にも多くの手口が存在します。
あくまでも、一般的な量販店・スーパー・小売店で多い犯行手口と思ってもらっていいかと思います。
ポケットに隠す
これが最も一般的で、事案として多い方法です。
欲しい商品を自分のポケットに入れて、そのまま店外へ。
低価格かつサイズの小さい商品はこの手口でほぼ盗まれています。
もうお客様の良心に頼るしかないのですが、低価格だろうが何だろうが、お店の商品を盗むという事は犯罪です。
もし捕まえたらしかるべき処理をしましょう。
参考記事
⇒【徹底解説】現役店長が万引き犯への超具体的な対応方法を解説します!
カゴ抜け
最近意外と多いのがこれです。
以前まではカゴ抜けと言えば、カゴに商品をいっぱい入れてそのままダッシュで逃げる、というパターンだったのですが、最近は傾向が変わって来ています。
ご存知の通り、昨今のエコブームで、マイバッグやらマイバスケットが流行っています。
このマイバッグやマイバスケットって、結局その中に商品を入れてそのまま持って行かれても分からないんですよね。
正直どうする事も出来ません。
レジ袋の削減のための有料化も進んでおり、万引きの抑止という意味では、世間の流れが逆行していると言わざるを得ません。
商品を箱から出して中身だけ抜く
いわゆる「中抜き」というやつです。
外箱に防犯用のシールを貼ってあったりしても、中身だけ抜かれるとどうしようもありません。
「中抜き」をやるということは、もうそれなりの常習犯であり、確信犯です。
もしこういった窃盗犯を捕まえたら、即警察です。
うちの店でこれをやった窃盗犯は、トコトンまでやります。
買い物袋を事前に用意
これも非常にやっかいです。
事前に店のお買い物袋を用意しておいて、その中に未清算商品を入れます。
そして、そのまま退店します。
これって何の違和感もありません。
実際、お会計が終わってから買い物袋を持ったまま、また売場に戻る人もいます。
買い忘れがあったりする場合ですね。
そんな人と、万引き犯を見分けるのは正直困難としか言えません。
参考記事⇒【悪用厳禁】具体的な内部不正の方法や手口を現役店長が解説します!
万引き犯の実際の方法・手口~中級編~
ここからは、万引きの手口も悪質で、もはやただの万引きというだけでは終わらせられません。
確実に被害届を出さないといけないレベルです。
万引き×万引き~その1
よくあるのが、万引きした商品を利用してさらなる万引き行為を働くというものです。
どういう事かというと、文具コーナーでハサミを盗んで、そのハサミで商品のパッケージを開けたりして犯行に及ぶ、というものです。
ですので、一部量販店では、そういった刃物の類はサンプル・ダミー陳列にしている事が多かったりします。
もうこれをされると、どんな商品も持って行かれてしまうので、商売として成立しません。
万引き×万引き~その2
さらに実際にあるのが、店内にあるキャリーバッグや旅行かばんに衣料品等のかさばる物を大量に詰め込んで盗むパターン。
1億歩ぐらい譲ったとして、自分で持参したかばんに商品を隠して持ち去るならまだしも、商品を隠匿するためのかばんまで盗むんです。
もう人間が腐ってるとしか言いようがありません。
ただ、実際の万引きの手口としてこういった事がある、という事だけ頭に入れておいてもらえるといいかと思います。
参考記事⇒【徹底解説】万引き発見時の超具体的な対応方法を解説します!
万引き犯の実際の方法・手口~上級編~
ここからは、ある程度組織的であったり、万引きを生業としている人の方法・手口です。
あまりにも悪質なので、これらが発覚した場合は、しっかり立件してもらって臭い飯を食ってもらいましょう。
万引き常習犯の手口
高額商品の場合、ショーケースで販売されている事が多いと思います。
宝石・貴金属・時計などが代表的かと思います。
実際に指にはめたり腕に巻いたりして、そのまま強引にダッシュで逃げる、というパターンもあるのですが、それよりもやっかいなパターンがあります。
やり方としては、こうです。
人の身長ほどのショーケースの場合に多い手口です。
↓
②ショーケースの「下段の商品」を見せてもらうように言う。
↓
③店員は「しゃがんで」下段の商品を取り出す。
↓
④店員の背後から死角を突いて手を差し入れ、ショーケースの「上段の商品」を抜き取る。
↓
⑤そのまま商品を隠匿し、適当に接客させて何も買わずに店を出て行く。
↓
⑥閉店後商品の数が合わない事が発覚しても、後の祭り。
これは以前自分の店であったのですが、防犯映像を見てびっくりしました。
いとも簡単に商品が盗まれているんです。
店員は全く気付きません。
当然高額商品を接客する際は、お客様に背を向けない、複数の高額商品を同時にショーケースから出さない、等のルールはあったのですが、その間隙を突いての犯行でした。
万引きのプロの手口
万引きのプロになってくると、やり方がもっと巧妙化してきます。
そのうちのひとつを紹介します。
商品が高額になると、陳列棚に商品は置かれていて手に取る事が出来るのですが、防犯タグが付いていていたりします。
この防犯タグですが、当然の事ながら無理に外そうとしたり切断したりすると、結構大音量のブザー音がします。
当然万引き犯はこの音を嫌います。
でも、このタグがあると商品を持ち出す事ができないので、なんとか切断・破壊します。
その後大音量のブザー音のするタグの音を消すためにどうするか?
完全に聞こえなくなる訳では無いですが、店内のBGMの音やお客様の会話等でその音は掻き消されてしまいます。
しかも、そのタグの入った水筒を棚の奥なんかに隠されると、ほぼ分かりません。
この方法だと、一瞬大きな音はしますが、ほとんどの人は気にしたりしません。
ちなみに、この水筒さえも、売場のサンプルの水筒だったりするので始末に終えなかったりします。
ここまで来ると、もう前科者の仕業で間違いありません。
初犯でここまでする人間はいませんし、この手口でもし捕まったら、人生取り返しがつかないレベルだと思っていいでしょう。
いわゆる「悪質な」窃盗犯という事になります。
万引きで生計を立てている人の手口
どこの世界にも上には上がいるものです。
万引きの世界にも上には上がいます。
今からお伝えする手口は、間違っても実践しようなどと思わないでください。
私があくまでも、小売店の店長に対して、万引きの知識を深めてもらうための内容となりますので、悪用厳禁でお願いします。
防犯器具の機能を停止させる
ちょっと表現が分かりにくいかもしれませんが、こういう事です。
例えば防犯器具といっていろいろです。
防犯シール、タグ、ワイヤー、ケース等種類は多岐に渡ります。
で、これらの防犯器具の付いた商品はどうやって販売するかというと、その商品をレジに持って行ってその防犯機能を解除する道具を使います。
そして、防犯器具を解除or外して販売します。
こういった防犯対策をしているお店の店長なら馴染みがあると思います。
この防犯器具ですが、基本的にお店は業者から買うのですが、一般の人でもネットで買えます。
防犯器具がネットで買えるという事は・・・。
そうです。
自分は初めてこの事実を知った時、もう絶望感しかありませんでした。
これはネットで何でも買えて便利だね、という話とは別の話だと思うのですが・・・。
ただどうしようも出来ないので、事実として受け止めるしかありません。
まさか、と思う店長もいると思いますが、その防犯器具の正式名称で検索してみてください。
ゴロゴロ出てきますから・・・。
参考⇒レジ不正の手口とそれを防止する具体的な方法を紹介します!
万引き犯の実際の方法・手口~番外編~
ちょっと特殊ではありますが、世相を反映している内容ではありますので、知っておいて損はないですし、こうならない世の中の仕組み作りに期待したいところです。
万引き家族
映画でもありましたが、これ、実際にいます。
しかも、思っている以上に多いです。
もし今この記事を一般の方が読んでいるとして、そんな事ないでしょうと思うかもしれませんが、意外と多いものですよ。
小売業の店長なら分かっていただけると思います。
実際うちの店でもありましたが、家族4人で来てカート2台・カゴ4個分に商品を満載にして店外に出て捕まったりします。
そんな人達のほとんどは生活困窮者です。
生活保護を受けているのに、それでも万引きをします。
事情はいろいろでしょうが、人間としても失格ですし、ましてや親として子供と一緒に万引きを働くなど論外です。
子供には万引きをしているという意識もないかもしれません。
それなのに、親がそんな子供と一緒に犯罪行為を犯すなど、私には全く理解が出来ませんし、しようとも思いません。
逆に、そんな親に育てられる子供が心配で仕方ありません。
外国人の万引きグループ
組織犯罪の典型です。
昨今のインバウンドブームもあり、外国人が店内にいても全く違和感を感じません。
そんな中、外国人による化粧品関連の大量窃盗事件が後を絶ちません。
1回の被害額は数十万を超えるのが普通です。
防犯シールを貼っていようが、防犯タグを付けていようがお構いなしです。
そのまま持っていきます。
店の出入り口に常時警備員が立っている訳でもないので、確信犯的にダッシュで持ち出されるとどうしようもありません。
しかも、外国人の窃盗グループは、やり方がとにかく大胆なんです。
10個陳列していたら10個持っていきます。
普通の窃盗犯は10個あったら、盗んだのがばれにくいように、半分だけ残したりするものです。
外国人の窃盗グループは、根こそぎいきます。
しかも、そんな手口で各小売店をハシゴします。
日本の化粧品は海外でも人気ですし、ネットで転売する事も出来ます。
特に都心店ではこれが顕著で、小売量販店の頭を悩ませているというのが現状です。
まとめ
さて、ここまでいろいろな万引きの方法や手口を紹介してきましたが、実際はそのやり方はもっと多岐に渡ります。
敵を知り己を知れば百戦危うからず、ではないですが、まずは敵の手口を知る事はできたと思いますので、次はこれをいかにして防いで行くか、という事に注力していただければいいかと思います。
以下参考までに万引き関連団体・協会のリンクを貼らせていただきますので、参考にしていただければ幸いです。
これ以外にも、各都道府県の警察で、万引き防止に対するガイドラインというものもありますので、そちらについても参考にしてみてください。
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