【間違いだらけ!】人件費削減のメリットやデメリットとその方法とは!?

協議して減らす

どうも、山田店長(@yamada_tencho)です。

 

店の売上が厳しくなってくると、本部から販管費を下げろ、人件費を削減しろ、と言われたことはないですか?

 

そうなんですよ~。

本部は簡単に言うけど、人件費を下げると実際どんなメリット・デメリットがあるんだろう?詳しく知りたいな。

 

本部は人件費を削減しろって簡単に言いますが、そんな簡単な事じゃないですよね?

 

では、なぜ人件費を削減するように指示が来るのでしょうか?

 

それは、販管費に占める人件費コストの割合が高いためです。

 

単純に分母が大きいのでこれを削減すれば、利益が多く残る訳です。

 

その残った利益で次の投資をして新たな利益を生み出す。

 

一般的な企業の考え方としては、概ね間違っていないと思います。

 

大手企業のコストカットの手段として、希望退職を募ったりする人件費削減については報道等でも大きく取りあげられています。

 

確かに人件費を削減する事で販管費を大きく削減する事は出来ますが、そのメリット・デメリットを理解し正しい方法で行わなければ、あなたのお店の首をさらに絞める事になりかねませんので注意が必要です。

 

以前、店長の悩み⑩~現役店長必見!販管費・コストを削減する具体的な方法という記事の中で人件費の削減に少し触れたのですが、紹介しきれない点がいくつかありましたので、ここで改めて

 

・人件費削減のメリット
・人件費削減のデメリット

 

この両方について詳しく触れたいと思います。

 

月商5億・従業員約300名を擁する大手小売店の現役店長として詳しく解説していますので、もしあなたが今人件費削減について悩まれているようでしたら是非参考にしてみてください。

 

但し、あくまでも店長目線ですので、経営者目線とは異なる点があるとは思いますが、その点はご了承くださいませ。

 

スポンサーリンク

 

店長向けの本を出版しました!
私の長年の店長経験を少しでも多くの店長方と共有するために、今回筆を執らせていただきました。特に新人店長や、まだ店長歴の浅い方、店長業務に不安を感じている方。そんな方の悩みや不安も解決できるかと思います。
私自身の知識・経験をふんだんに盛り込んでいますので、きっとあなたの今後の店長人生のお役に立てると信じております。(kindle版は無料です)

人件費削減のメリットはたったひとつ

人件費削減のメリット

人件費削減のメリット

まずは人件費削減のメリットですが、それはただひとつだけです。

 

そのたったひとつの事が会社・店舗を救う事にも繋がります。

 

経費を削減し利益を残せる

企業とは、利益を残してなんぼです。

 

利益が残せず赤字を出し続けて会社を運営する事には全く意味がありません。

 

借金して社会貢献しても意味がないのと一緒です。

 

利益を残すから雇用が生まれ、商品開発が出来、それを世に放つ事で社会貢献が出来るのです。

 

極端かもしれませんが、従業員が1万人いて、1000人をクビにして残り9000人の雇用を確保できるのであれば、その1000人はカットすべきです。

 

情にかられてその1000人をクビに出来なければ、会社が潰れて1万人全員が雇用を失う事になります。

 

そうなると、救えたはずの9000人が救えなくなります。

 

血も涙もないと思われたとしても、それが現実であり実際にそういったコストカットをして来た企業は多く存在します。

 

この考え方は例え小型店舗であっても同じです。

 

従業員10人の店舗でもあてはまります。

 

お店が潰れたら全員が職を失います。

 

お店が存続してまた利益を出せるようになれば、一時的に人を失ったとしてもまた取り返す事が出来ます。

 

これを人件費削減のメリットというと誤解を生むかもしれませんが、企業として生き残るために必要な手段だという事は忘れてはいけません。

 

店長が知っておくべき人件費削減のデメリット

人件費削減のデメリット

人件費削減のデメリット

では、人件費削減する事のデメリットは一体なんでしょうか?

 

果たして人件費削減のメリットは、デメリットを上回る価値があるのでしょうか?

 

具体的にはデメリットは以下の通りとなります。

 

従業員のモチベーションが下がる

これが一番大きいです。

 

人件費削減という事は、経営が悪化している証拠でもあります。

 

従業員からすると、いよいよ人件費削減に舵を切り始めたかぁ、という事になります。

 

実際過去にも大手企業で大々的に報道された事が度々ありましたが、その時も企業として生き残りをかけての人件費コストのカットでしたからね。

 

そんな会社でも残りたいと思うスタッフもいるでしょうが、当然の事ながら将来への不安を抱くスタッフは、自ら退職の道を歩む人も出てくるでしょう。

 

こうなると、当然従業員のモチベーションは下がってきます。

 

すると当然労働効率が落ちてくる事も予想されます。

 

会社を経営していく上で、従業員のモチベーション管理と士気の向上というのは永遠のテーマです。

 

そのテーマを軸に考えると、人件費削減という方法はマイナスにしか機能しないので、大きなデメリットであると言えます。

 

オペレーションの悪化

人件費削減=従業員数が減る。

 

そう考えると、今までやっていた業務を今までよりも少ない人員でこなす必要が出て来ます。

 

そうなると、当然物理的に無理なので、時間外労働を強いられたりする事にもなりかねません。

 

もしくは、業務の質を落とすしかありません。

 

これまで3日で出来た事を1週間かけてやるか、100%の完成度を80%で妥協するのか。

 

最悪は、100の仕事量を80に減らすか、です。

 

人件費を削減すれば残る利益は増えますが、得られる利益も減る可能性は十分にあります。

 

それを天秤にかけて、本当に人件費削減というコストカットの方法を選択するのかは考慮しないといけません。

 

離職率が上がる

人件費の削減方法を間違うと、希望退職者ならいいのですが、予期せぬ離職者を招く危険性があります。

 

というのも、人件費削減というのはどうしてもネガティブな印象を与えます。

 

そのネガティブな印象が将来への不安に変わってしまうと、その会社に籍を置いておくことが自分にとってマイナスなのではないかという風になってきます。

 

そうなると、これまでいくら頑張っていた社員であっても、違う畑で働いた方が自分にとってはプラスになるのではないだろうか、と思いますよね。

 

人件費を削減する時には、こうして負の連鎖が始まってしまう事も想定しておかないといけません。

 

人はすぐに育たない

実は、人件費削減の最大のデメリットは、これです。

 

人はすぐには育たない、という事です。

 

どういう事かというと、人件費をカットする事で傾いていた会社経営が息を吹き返したとします。

 

そこで、またこれまで通りの雇用をしようと思って人を雇い入れたとしても、当然のことながら人は急には育ちません。

 

以前と同じだけの能力を持った人を育てるには、それなりの時間を擁する事になります。

 

人件費をカットする方法は実に簡単ですが、その後また人を育てる事は簡単ではありません。

 

その人を再教育する時間とコストをまた産み出せればいいのですが、そううまく行くとは限りません。

 

ですので、人件費カットする際には、この最大のデメリットを重々頭に入れておく必要があります。

 

失った果実は大きかったと後悔する前にもっと出来る事がないか、トコトンまで考えましょう。

 

※人件費削減のデメリットは以下

・従業員のモチベーションが下がる
・オペレーションの悪化
・離職率が上がる
・人はすぐに育たない

 

スポンサーリンク

 

正しい人件費削減方法は無理・無駄・ムラをなくす事

正しい人件費削減方法

正しい人件費削減方法

さて、ここまでで人件費削減のメリットとデメリットを紹介させていただきました。

 

じゃあ具体的に正しい人件費の削減方法はどうすればいいのか?

 

これについて、ここからは解説させていただきます。

 

単純にアルバイトの時給を下げる、人員をカットするという事ではありません。

 

順を追って説明しますので、ぜひあなたのお店のパターンにはめ込んで考えてみてください。

 

人員配置の見直し

まずはこれです。

 

例えば、ひとりで出来る仕事をふたりでしたりしていないか?

 

これまでは新人スタッフだったのでふたりでしないと間に合わなかったけど、今は技術も習得してひとりでも十分作業できるようになっていたりしませんか?

 

または、力持ちには力仕事をしてもらって、手先の器用な人には細かい仕事をお願い出来ていますか?

 

それぞれのスタッフには得手・不得手というものがあります。

 

それを把握した上で、店長としてスタッフの適材適所が出来ているかを判断しないといけません。

 

これらをすることなく、結果として店の売上が伸びず人件費削減するとなるともう目も当てられません。

 

そうならないためにも、常に人員配置の適材適所が出来ているかのチェックは行いましょう。

 

業務の棚卸し

一度店のオープン準備から閉店作業までの全ての業務を棚卸ししてみましょう。

 

出来れば可能な限り細かく書き出してみてください。

 

そして、そのひとつひとつの業務をより効率良くするためにはどうしたらいいかをじっくり考えてください。

 

・毎日行うべきなのか?2日に1回じゃだめなのか?
・朝するよりも夜した方が効率的ではないか?
・毎日仕入れをしているが、週2回ではだめか?
・社員ではなくアルバイトに任せる事ができる業務はないか?

 

言い出すとキリがないですが、このように業務の棚卸しをしてその業務をより効率よく行うにはどうしたらいいのかを考える事が重要です。

 

こうする事でいろんな所で人件費の削減が出来ます。

 

小さな事の積み重ねではありますが、業務効率の改善で人件費の削減が出来るのでぜひ試してみてください。

 

人事評価の見直し

人員配置の見直しを行い日々の業務の棚卸しが出来たら、次は人事評価の見直しを行います。

 

単純に各社員・アルバイトの能力に合った時給設定になっているか、という事です。

 

店長であれば、アルバイトの時給に対する決裁権はあると思いますので、その権利を十分行使しましょう。

 

アルバイトの時給設定は会社のマニュアルにあるかもしれませんが、その規定に合った時給になっていますか?

 

よくあるのが、勤続年数が長いという理由だけで時給の高い古参のアルバイトっていませんか?

 

アルバイトの時給だけでなく、人事評価における給与の算定方法は、

 

年齢・性別・勤続年数に左右されない

 

という事です。

 

具体的には、

 

その本人が持つ能力と数値による結果によってのみ算定されるべき

 

です。

 

つまり、

 

個人の持つ能力=給与
数値による結果=賞与

 

というような人事評価制度でなければ、正当な評価とは言えません。

 

このように、正当な評価が出来ているかどうかを再度見直す事で、正確な人件費を算出する事が出来ます。

 

結果として、人件費の削減が出来た、という事を実際私は何度も経験しています。

 

さらにこれをする事で、従業員間の賃金に対する不信感が払拭されてクリーンな職場になる事は間違いありません。

 

一時的な不協和音は生まれるかもしれませんが、誰しも正当な評価をされたいものです。

 

マイナス評価になって退職を申し出る人がいたとしてもそれは致し方ないですし、そうなったとしても連鎖反応で離職率が上がるという事にはなりません。

 

むしろ残ったスタッフのモチベーションは上がって来ますので、プラスに働く事間違いないです。

 

まとめ

一歩間違えると大きな失策となってしまう人件費のコストカットですが、メリットとデメリットを理解した上で正しい方法で行えば必ずや未来に繋がる施策であることは間違いありません。

 

人件費削減のポイントは・・・

 

①メリットとデメリットを理解する
②正しい方法で行い無理・無駄・ムラをなくす

 

この2点だけです。

 

これさえ抑えておけば、人件費を削減するというよりは、最適な人件費コントロールが出来るようになり、より健全な店舗運営が出来る事でしょう。

 

これが出来るようになると、晴れて一人前の店長と言っても過言ではありません。

 

人件費削減というと聞こえはあまりよくはないですが、店長にしか出来ない販管費管理のひとつです。

 

闇雲にコストカットするのが店長の仕事ではありません。

 

人件費は本当にデリケートな経費ですので、是非正しい方法でコントロールする事を念頭に置いて、日々の業務に励んでくださいね。

 

参考記事
どこよりも安く見える価格設定の具体的な7つの手法を公開します!

現役店長が伝授!小売業で売上を上げる超具体的な方法3選!

 

店長向けの本を出版しました!
私の長年の店長経験を少しでも多くの店長方と共有するために、今回筆を執らせていただきました。特に新人店長や、まだ店長歴の浅い方、店長業務に不安を感じている方。そんな方の悩みや不安も解決できるかと思います。
私自身の知識・経験をふんだんに盛り込んでいますので、きっとあなたの今後の店長人生のお役に立てると信じております。(kindle版は無料です)

店長の仕事
<ブラック企業とはこれでおさらば>

SARABA

<ハイクラス求人と言えば>

スポンサーリンク
山田店長の虎の巻

プロフィール

山田店長

飲食店スタッフ⇒通信機器販売員⇒食品バイヤー⇒大手小売業現役店長へ。
現在は月商約5億・従業員数約300人の店舗で店長をやっております。店長経験はもう10年以上。
この経歴を元に、店長として持ってる知識と経験をここでお伝えしていきます。
現役店長さんの日々の業務に、少しでもお役に立てれば幸いです。

山田店長をフォローする
スポンサーリンク
タイトルとURLをコピーしました