どうも、山田店長(@yamada_tencho)です。
世の中は新商品で溢れています。
特に日本はその傾向が強く、欧米よりも新商品の発売サイクルが早いんです。
つまり、日本人は飽きやすいって事なんでしょうね。
ここでは、そんな日本の小売業界における裏話を紹介します。
一般消費者の方には全く意識されていないかもしれませんが、実は業界では衝撃的な事が日々起きているんです。
先日の「ペヤング激辛やきそばENDMAX」の一般発売の延期もそんな衝撃的な出来事のひとつでしたので、ここでこっそり紹介させていただきます。
もはや伝説の食品メーカー「まるか食品」
あなたはまるか食品という食品メーカーをご存知でしょうか?
ちょっと前までは、昔ながらのソース焼きそばを販売する、食品メーカーさんだったのですが、ここ数年は完全に振り切った商品を数々販売してきています。
その一部を見てみましょう。
ペヤング 夜のペヤングやきそば 夜食ver. 1ケース(18個)
これら以外にも、先日、「ペヤングソースやきそば 超超超大盛GIGAMAX」という、1食2142calもある商品を発売されました。
この商品は日本国内でも東と西で発売日が異なり、発売当初は西日本では商品の仕入れ合戦が各量販店で勃発していました。
そんなまるか食品から、2018年9月17日「ペヤング激辛やきそばENDMAX」が一般発売となります。
その商品名からも分かる通り、その激辛っぷりはハンパないです。
私も試食しましたが、辛いではなく、痛いのやつです。
辛いのが苦手な方は控えておいた方がいいです。
勧められたからと言って、無理に口にすることは避けてください。
ところで、この「ペヤング激辛やきそばENDMAX」ですが、当初の発売は一週間早い2018年9月10日だったんです。
では、なぜ一般発売日が一週間遅れる事になったのでしょうか?
一般消費者は知らない裏話をお教えします。
「ペヤング激辛やきそばENDMAX」の発売日延期はコンビニのせい?
はい、コンビニのせいです。
特にセブン○レブン様の影響力が大です。
なぜそう言い切れるかというと、そこにはコンビニ先行発売という闇があるからです。
コンビニ先行発売の闇
すでにご存知の方もいるとは思いますが、世の中で発売される食料品の新商品、特にお菓子・ドリンク・カップめん等は、コンビニ先行発売という商品が多いんです。
一般量販店で発売されるよりも先にコンビニで発売されます。
「ペヤング激辛やきそばENDMAX」もコンビニで先行発売されました。
なぜだと思います?
コンビニは定価で販売してくれるからです。
量販店は価格競争が激しく、新商品であっても安く販売する事があります。
メーカーとしては、販売価格が下がる事で商品価値を落とす事を嫌います。
いわゆるブランド戦略というやつですね。
ただ、量販店では数が売れるので、量販店にも卸したいわけです。
でも、自社ブランドを保つためにも、まずはコンビニで先行販売をしてから一般量販店に商品を供給する、という流れが出来ているのです。
このコンビニ先行発売がクセものなのです。
例えば、コンビニ最大手のセブンイレブンで、日本全国の店舗数は2万店を超えます(2018年9月現在)。
ということは、1店舗あたり1ケースの仕入れであっても、全国で2万ケースになるということです。
ご存知の通り、セブン○レブン以外にもコンビニはありますよね?
その数は日本全国で5万店以上とも言われています。
1店舗あたりは非常に小さなコンビニですが、コンビニはその店舗数を武器にしています。
つまり、コンビニで商品が取り扱われるかどうかでメーカーの売上は大きく左右されるという事なんです。
悲鳴を上げる中小メーカー
一方、「ペヤング激辛やきそばENDMAX」の製造メーカーのまるか食品は、製造拠点が群馬県の工場をメインとしています。
逆に言うと、製造キャパの限界は、日清食品や明星食品等よりも低いと言わざるを得ません。
そんなメーカーが全国コンビニ先行発売で商品を供給するわけです。
納品数量がコンビニ各店1ケース、と決まっていればいいのですが、当然それ以上になる事もあります。
この1ケースが2ケースに増えただけで、5万ケースが10万ケースになることもあります。
こうなると、製造キャパの大きくないメーカーだと受注に対して100%の供給が出来なくなります。
そして、急遽販売休止・・・という、いつもの流れになるわけです(笑)
当然、メーカーとしては、そうならないために計画販売をするのですが、大手コンビニさんはなかなか受注数量を事前に決めていただけないらしく、発売日に合わせた製造計画をメーカー側が取る事ができなくなります。
そうなると、一般発売日に量販店向けの商品を揃える事ができなくなるんです。
そして、一般発売日が延期になる・・・と。
量販店はコンビニのおこぼれをもらうのがデフォ
コンビニは先行発売する上に定価で欲しい数を販売することが出来ます。
が、一般量販店は、そのおこぼれをもらう感じ、とでも言えばいいでしょうか。
特に「ペヤング激辛やきそばENDMAX」のような話題の商品は、事前に売れるのは分かっています。
とにかく新商品は初動が大事です。
発売日から一週間でどれだけスコアを出せるかが課題となります。
それなのに、コンビニで先行発売されている商品の発売日が一週間遅れるということが、どれだけ一般量販店に取って痛手となることか・・・。
「ペヤング激辛やきそばENDMAX」に限った事ではなく、この一連の流れは本当に最近増えてきています。
こういうのって、独占禁止法に抵触したりはしないのでしょうか?
その筋に詳しい方いれば、是非ご教授いただければ幸いです。
「ペヤング激辛やきそばENDMAX」の発売延期まとめ
ということで、若干恨み節も交えつつ、なぜ世の中の新商品の一般発売日が延期されるのかを解説させていただきました。
コンビニで先行発売⇒受注増⇒メーカー製造キャパオーバー⇒一般発売日延期。
一般消費者の方は、へぇ~って感じでしょうが、同業の方には大いに共感いただけたかと思います。
現状小売業界は、コンビニありき、と言っても過言ではありません。
コンビニ業界は今伸び悩んでいて苦境に立たされているとは言え、言っても日本に5万店舗です。
その影響力は依然強大です。
その牙城を崩すべく私も業界人として日々努力・研鑽しておりますが、なかなかどうして・・・。
何かと群雄割拠の業界ではありますが、この記事をお読みのあなたとも、是非切磋琢磨したい所存でございます!
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