どうも、山田店長(@yamada_tencho)です。
大手小売店の催事場では、正月の鏡餅が終わったら次はバレンタイン売り場へと変更されていきます。
ですが、いきなり元旦からバレンタイン販促が始まるかというとそういう訳ではありません。
どうしてもバレンタインMAX展開までに端境期が出来ます。
ここでは、
・バレンタイン売り場の作り方・ディスプレイ
これらについて、現役店長の私がどこよりも分かり易く解説させていただきます。
この記事を読み終わったら、あなたのお店に合った具体的なバレンタイン売り場のイメージが出来ている事と思いますので、ぜひ最後までお付き合いください。
正月以降の催事売り場の使い方
バレンタイン販促の前に・・・
年が明けても鏡餅・注連縄等の正月関連の売り場は、1月3日まではなんだかんだ残します。
ですが、当然その規模は縮小されます。
では、その縮小されて空いた売り場はどう活用すればいいのか。
すぐにバレンタイン売り場を作る前に、いくつか方法がありますので紹介します。
福袋セール
大手小売店で最も多いのがこの福袋セールを行うパターンです。
ご存知の通り、もはや日本古来の福袋の習慣とは程遠い、メーカーのエゴと販売側のご都合主義のたっぷりつまった福袋ですが、福袋というネームバリューだけで売れます。
家電製品等の大型商品については、袋にさえ入っていなかったりしますが、まぁそれはそれとして・・・。
福袋セールを行うメリットは、ただただ「楽」という事です。
大型商品は各部署での対応となりますが、食料品や日曜消耗品等のちゃんと袋に入っている商品については、袋は催事用のワゴンか何かに乗せて置いておくだけです。
最近はメーカーが作ってくれた福袋がそのまま納品されますので、店舗側で何かする必要もなくそのまま売り場に出せばOKです。
しかも、昨今の福袋は袋に「福袋」と書いておらず、「お楽しみ袋」などと書かれていたりします。
なぜだか分かりますか?
そうです、正月が終わったら福袋としてではなく、お楽しみ袋として販売するためです。
正月に余った福袋は、これまでは中身をばらして販売したりしていました。
これって意外と面倒だったりするんですよね。
中身が通常取り扱い商品と同じだったりすると、原価も違うし販売価格も違うので別でインストアコードを発行したりしないといけません。
その手間を省くための「お楽しみ袋」だったりします。
しかも、福袋は事前の販売計画も立て易く、予算組みもし易いので正月以降の催事展開としてはおすすめです。
お歳暮ギフト解体・半額セール
最近よくみかけるようになって来ましたが、このギフト解体・半額セールも正月からよく売れます。
要はお歳暮の売れ残り品の値下げ販売やバラして販売する事です。
というのはお客様への体裁になるのですが、実はこのギフト解体・半額セールは意外と儲かります。
なぜなら、最初からこのセール用に仕入れるからです。
もちろん本当に年末のお歳暮用の仕入れたギフトの売れ残りも織り交ぜるのですが、実は年末までにメーカーからギフト解体セール用に仕入れたりします。
あれって、売れ残ったギフトを赤字覚悟で販売しているように見えて実は儲かるようになっているんです。
このセールのいいところは、福袋と違って正月三が日が過ぎてもバレンタイン立ち上げまで使えるという事です。
手間隙かけずに楽して稼げるので、どこの量販店でも重宝される企画として毎年ギフトメーカーも推してきます。
ちなみに期間中に売れ残ったら、通常のギフトコーナーに戻してしまえばいいので、ぜひこのギフト解体・半額セールも積極的にやっていきましょう。
催事場にもし余裕があるようなら、福袋+ギフト半額セールを同時に行うのもありです。
これで、楽して儲かる正月の典型的な催事場の完成です(笑)
バレンタイン売り場の具体的な作り方
まずは、正月から福袋・ギフト半額セールを始めたとして、肝心のバレンタイン売り場はいつから立ち上げればいいのでしょうか?
答えはありませんが、月商5億の私の店舗では1月3週目を目安にしています。
というのも、実は年々バレンタイン市場は右肩下がりということもあるので、その展開時期を急いだりはしません。
逆に早めに立ち上げても、正直時期尚早となりかねません。
市場としてもバレンタインは1800億。
その額はついにハロウィンに抜かれたそうです。
とはいえ、まだまだ大きな市場ですので、以下ではバレンタイン売り場について解説していきます。
バレンタイン売り場の作り方のコツ
バレンタイン売り場を作る際のポイントはひとつだけです。
それは、
という事です。
どういう事かというと、バレンタイン売り場は大きく以下のカテゴリーに分かれます。
②友チョコ
③本命チョコ
④手作りチョコ
それぞれ簡単に解説します。
義理チョコ
最近はブラックサンダーで有名な有楽製菓から、↓のような義理チョコも発売されて話題にもなりました。
つまり、世の男子には残念ですが、義理チョコに女子はお金をかけません。
ですので、義理チョココーナーには、こういった企画っぽいチョコと、ファミリーサイズのアルフォートやキットカットのようなチョコがあれば、それで十分です。
後はロッテのガーナや明治の板チョコくらいでしょうか。
小分けに出来て大袋の商品が人気なのは間違いないので、商品選定される際はその点に注意しましょう。
友チョコ
これもコーナー感を出すだけで基本的には義理チョコと大きく変わりません。
ですが、若干商品チョイスは変わってくるかと思います。
例えば、義理チョコでは「きのこの山・たけのこの里」みたいなものはありませんが、友チョコではこれらの需要もあります。
明治のアーモンドやマカダミアもそうですが、義理チョコよりも若干渡す相手ひとりあたりの単価が上がるイメージでしょうか。
売り場としては、義理チョコと友チョコを合わせて考えるのもいいですし、あえて分けて選べる楽しさみたいなものを作るのもいいかもしれません。
本命チョコ
バレンタインではこれが一番儲かります。
本命チョコ売り場は、業態や店舗の規模で売り場が大きく変わってきます。
大型量販店であれば、ひとつ数千円するような外国産のチョコをショーケースに入れて販売したりもします。
この場合は可能な限りメーカーのマネキン販売を呼びましょう。
むしろここぞとばかりに、呼びまくりましょう!
当然メーカー手配ですので、商品知識もありますし、売る事にも長けているはずです。
そして、何より費用をかけずに販促してくれますので売上に直接つながります。
ただ、中型・小型店では、ショーケースを設けてまでバレンタイン売り場を作れない、という店舗もあるかと思います。
そういった店舗で本命チョコ売り場を作る時に意識して欲しい事があります。
本命系のチョコって、ラッピングされた状態で納品される商品が多々ありますよね。
これのサンプル出しを必ずしてください。
それぞれひとつ経費処理して、中身が見えるようにサンプルを出します。
そうする事で、あげる側も安心して買う事が出来ます。
このひと手間をかけるかどうかで、本当に売上が大きく変わりますので、騙されたと思ってやってみてください。
バレンタイン終わりでの値下げ販売の手間が一気に減りますよ。
手作りチョコ
手作りチョコ売り場のポイントは、手間とリスクです。
言い方は悪いですが、売り場を作るのに時間がかかるのと、それほど売れません。
バレンタイン市場が下がって来ている事と比例して、手作り需要も明らかに減っています。
売り場を作るにも製菓材料を用意する訳ですが、これが売れ残ると毎年困るんです。
これらの製菓材料が売れるのは、クリスマスとバレンタインだけなんです。
クリスマスで売れ残ったらバレンタインに回せばいいのですが、バレンタインで売れ残ったらもう見切るしかなくなっちゃうんです。
そう意味ではリスクもあるのが悩みの種です。
それらを踏まえて、手作りチョココーナーを作るのであれば、ポイントは以下です。
②デコペン・アラザン等の副商材はメーカーの販売キットで売る
③ガーナや明治の板チョコも販売キットで大陳する
④余裕があれば、手作り用の調理器具も併売する
副商材は残ったらメーカーに返品できればいいのですが、昨今はそんな事すると怒られちゃうので出来ません。
本当売りづらいカテゴリーにはなってきましたが、なければないでお客様から多くの問い合わせを受けますので、やるしかありませんね。
バレンタイン売り場のディスプレイ・その他のコツ
最後に、バレンタイン売り場で最大の売上を上げるためのディスプレイやその他のコツをまとめて紹介します。
ちょっとした事かもしれませんが、これが出来ているかどうかで売上が大きく変わってきますので、ぜひ積極的に取り組んでみてください。
サンプルのディスプレイを意識する
特に本命チョコはあげる事はあっても、なかなか試食して購入する事が出来ません。
大層なラッピングをされて、おしゃれなネーミングでいかにもおいしそうな外観だったとしても、実際中身も見えないとなかなか購入への最後の後押しが出来ないんですよねぇ。
そこで、可能な限り本命チョコはサンプル出しをしましょう。
そうする事で、味見は出来ませんが、そのチョコを渡して開けた時の相手の男性の顔が想像できるはずです。
この想像が出来る事で、購入したいという背中の後押しが相当できます。
ですので、単価が上がれば上がるほど、中身が見える形でのサンプルを用意して、購買欲求を高めるような売り場にしましょう。
ラッピング対応について明確にする
最近はすでにラッピングされた状態で納品される事の多くなったバレンタイン商品ですが、そうでない商品も当然あります。
そういった商品は必ずラッピングの需要がありますので、ラッピング対応が可能かどうかのアナウンスはしっかり行いましょう。
出来るならサービスカウンターなのか、特設のラッピング場を設けているのかを明示して、お客様が迷子にならないような配慮を忘れないようにしてください。
実際にラッピングしたサンプルを出しておくのもひとつの手ですよ。
また、有料なのか、無料か、ラッピングの種類等についても漏れのないように事前に準備しておきましょう。
メーカーのマネキン販売の活用
どこまで出来るか分かりませんが、可能な限りマネキン販売の協力要請はしましょう。
一定の仕入れ金額を求められるかもしれませんが、この時期のマネキン販売の力はなかなか大きいです。
商品の紹介も去ることながら、バレンタイン売り場にいるだけで様々な事を聞かれます。
・一番売れている本命チョコはどれですか?
・このチョコは苦くないですか?
言い出すとキリがないですが、バレンタインチョコは置いてるだけでも売れなくはないですが、販売員が近くにいるだけで売上が大きく変わってきます。
これは実際にやると実感する部分ではありますので、事前に各メーカー様に声かけする事をお忘れなく。
まとめ
右肩下がりのバレンタイン市場ですが、催事売上としてはやはり1店舗あたりの売上は大きいかと思います。
ポイントとしては、チョコがMAX売れるのはバレンタインまで、という事です。
バレンタイン以降気温が上がってくるに従って、チョコカテゴリーの売上はどんどん落ちていきます。
逆に言うと、ここで最大の売上を取りつつ在庫の調整も行うようにしてください。
「冬季限定」なんて文言の入った商品は、3月にはもう売れませんので十分注意が必要です。
以上、ポイントをまとめると
・バレンタイン売り場の立ち上げは1月3週目をめどにする
・カテゴリーを意識して売り場を作る
・サンプル出しで売上が大きく変わる
・可能な限りマネキン販売の協力をメーカーに要請する
これらを意識するだけでバレンタイン売上が上がる事は間違いありません。
ただし、市場としては縮小していますので、課題としては、「次の手」を店舗独自で用意しておくことが必要かもしれませんね。
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