どうも、山田店長(@yamada_tencho)です。
小売業における最大の魅力とは、まさにプライシングと言っても過言ではないでしょう。
価格が高いと売れないし、安いと利益が出ない。
商品の売価決定権を持つ者には、最大限の利益を取りつつも売れる売価設定が、必須のスキルとなります。
では、小売業における商品の価格の決め方とは、具体的に一体どういった事をいうのでしょうか?
ここでは、小売業における価格の決め方-3大原則をどこよりも分かりやすく解説します。
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小売業におけるプライシングの3大原則
商品の価格を決める際に最も重要な事は、たったの3点です。
その3点に全神経を集中させて価格を決めれば、必ず売れるし、最大限の利益を得ることができます。
このプライシング3大原則を意識していないばっかりに、本来得られる利益を得られていなかったり、知らないうちに地域最大売価の値付けになっていたりしますので、今一度商品のプライシングについてはじっくり考えてみてください。
相場価格に合わせる
何はなくとも販売価格決定の大原則がこれです。
です。
特に、その地域エリアの価格を知っているかどうかです。
例えば、関東と関西では、同じ商品でも相場が全く違います。
また、本州と沖縄・北海道でも全然違います。
そこには当然物流コストであったり、必要経費が地域で違うので当然です。
ただ、ここでいう地域というのは、あなたの店・会社のある街の相場の話です。
例えば、近所のスーパーA店で白菜1玉298円なのに、あなたの店で398円で売っていたとします。
当然、100円違えばお客様は、あなたのお店ではなく近所のスーパーA店で白菜を購入します。
別にそれだけならいいのですが、このお客様はA店は安いと思うわけですが、同時に、「あなたのお店は高い」という印象を持ちます。
仮に、野菜の相場が高くて仕入値が380円だったので薄利販売していたとしても、です。
この場合だと、少々赤字販売をしても、A店の売価に近づける方が得策だと思います。
大前提としてA店の白菜1玉298円がチラシの日替わり価格やタイムセール等でない前提ですが。
いずれにせよ、相場とあまりにもかけ離れた売価設定をしていると、消費者からは、「この店は高い」という印象を持たれてしまいます。
それが、頻度品であればあるほど、その印象はより強く、濃くなっていきます。
そうなると、消費者の口コミは恐ろしいもので、地域のネガティブキャンペーンが繰り広げられる事となり、あなたのお店の人気は一気に急降下を始めます。
そうならないためにも、相場をしっかり把握したプライシングがいかに重要なことかは、小売業を生業としている以上すでにご存知のことかと思います。
利益率から計算しない
これが一番よくありません。
仕入れ値に対して設定利益率がある場合、相場価格と乖離したり、思った様な利益を得られない場合が出てきます。
利益率から価格を決定して、想定販売数量を計算するということは、数字を管理するという意味では非常に理に叶っています。
しかし、小売業はそんなに甘くありません。
地域や季節・商品特性等、様々な条件で価格が変わってきます。
しかも、ひとつの商品に対して複数の売価が存在する事もあります。
例えば、賞味期限切迫品なので安かったり、取れる量が少ないので今年は去年よりも高かったり。
ですので、利益率ありきで価格の設定をしてしまうと、これも相場からかけ離れた売価となってしまい、お店の人気を落とす事に繋がります。
そもそも、そんなプライシングをしているお店は小売業にはないと思いたいですが、本部機能の強い大型チェーン店等はまだこの傾向があるかもしれません。
お客様が安いと感じる最大の売価設定
結局、価格を決める際に最も重要な決定要素は、これしかないと思っています。
消費者は本当に価格に敏感です。
売り手よりも消費者の方が価格の事をよく知っています。
特に主婦は、目利きであり、情報通でもあるので、一切のごまかしが通用しません。
なので、「お客様が安いと感じる最大の売価を設定する」ということは、あなた自身が地域の相場を、お客様の誰よりも知っていないといけないという事です。
これが非常に難しいのです。
マニュアルはありません。
毎日とにかくアンテナを張り巡らせて、新聞の折り込み広告を見たり、定期的に競合店に実際に足を運んでみたり、時には売り場でお客様の声を直接聞いたり。
やり方は本当に様々です。
そこで得た情報を元に、地域の最安値で、かつ利益を最大限取れる売価にする必要があります。
これが、「小売業におけるプライシングの妙」と言っても過言ではないと思います。
あくまでも消費者としての目線で価格を決定する。
お客様が商品を買う時には、イチイチその商品の原価など気にしません。
同じ商品であれば、安さに勝る販促はありません。
プライシングをする際、小売業とは価格が生命線である、ということを肝に銘じる必要があります。
その他の販売価格の決定方法
小売業において、商品の価格を決める3大原則はご理解いただけたと思います。
ですが、実は、それ以外にも価格を決定するに当たって戦略的に考える事もあります。
価格を先に決めて商品開発を行う
いわゆる、PB商品・OEM商品というやつです。
特に、自社ブランドであるPB商品を作る時には、まずは相場よりも安く販売できる価格で、なおかつ利益が通常NB品よりも高い商品を開発します。
市場のNB商品の位置づけはご存知の通りです。
NB商品の同等クラスの商品がより安く手に出来る。
つまり、PB商品=安くていいもの、という事です。
PB商品は大前提がはっきりしているので、逆に価格設定ありきの商品開発となります。
販売価格を意図的に下げる戦略
価格の決定方法としてもうひとつ考えられるのが、あえて価格を下げて販売するという方法です。
理屈は簡単です。
利益を取るのではなく、人気を取るための価格戦略です。
↑でも言及しましたが、価格に勝る販促はありません。
地域最安値で徹底的に人気を取る。
こういうと、単に価格を下げて客寄せパンダにする、というイメージを持たれるかもしれませんが、実はそうではありません。
単純に値下げするだけなら誰でもできます。
それで売上が上がっても、赤字だったら何の意味もありません。
では、どうやって値下げするのか?
私がよくやるのは、例えば、QPマヨネーズ450gを本日の特価で188円で山積します。
その横に、非NB商品のマヨネーズ1kgを298円で山積します。
いわゆるユニットプライス(量目換算)でどちらが安いのかは、一目瞭然だと思います。
QPは薄利で人気付け商品とします。
当然非NBは298円でも利益がしっかり確保できる商品です。
つまり、当然NBのQPを購入される方もいますが、非NBでも価格で購入されるお客様もいます。
こうすることで、儲からないけど人気の取れるNB商品と、儲かる非NB商品がうまく共存する事になります。
これを、小売業界的に粗利ミックスと言います。
この粗利ミックスをする事で、人気と利益を両立することができるようになるのです。
販売価格を意図的に上げる方法
↑とは全く逆になりますが、一番いいのは、高くても売れる商品ですよね?
でも一般的には、相場より高かったり、消費者に安いと思ってもらえない売価設定だと当然売れません。
ただし、相場より高くても、消費者が高いと思っても、売れる商品は存在します。
これには条件があります。
それは、その商品カテゴリーでオンリーワンである事、です。
逆に言うと、オンリーワンになれば、価格の決定権は全て手中に出来ます。
競合のいないカテゴリーでオンリーワンになる事が出来れば、利益を最大限に確保しつつ、価格を設定する事ができます。
思い出してみてください。
絶対に価格の崩れない商品が、きっとあなたのお店にもあるはずです。
その際たるものは何だと思いますか?
私の知る限り、その際たるものは・・・タバコ、です。
タバコはお国が価格を上げて来ますからね。
これには誰も逆らえません。
取り扱い店舗で勝手に安売りすることもできませんし、価格改定のたびに様々な制約を課され、非常に身動きの取れない商品でもあります。
ただし、一定の利益を出し続けるので、取り扱いを止めるに止めれないのが、タバコなんです。
小売業の価格の決め方3大原則まとめ
以上、ちょっと脱線して最後はなぜかタバコの話になっちゃいましたが、商品の価格を決める際にもっとも優先的に考えるべき事は、
これに尽きます。
しかも、お客様が満足してもらえる最大売価、ここが肝です。
消費者目線で、「最も安く、最も利益の取れる売価」、これがプライシングの妙です。
以上、商品の価格の決め方を解説させていただきました。
是非、今日から実践してみてはいかがでしょうか?
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