どうも、山田店長(@yamada_tencho)です。
食料品を扱う小売業では、お酒を販売している店舗も多いと思いますが、酒類を販売する際に必ず言われるのが、未成年者に対して、酒類を販売しちゃだめですよ、という事です。
そんな事は分かっていますよ、と思うかもしれませんが、これを甘く見てるとえらい目に遭います。
最悪な場合、酒類販売業免許取り消しになってしまいます。
そうならないためにも、ここでは、以下についてわかりやすく解説しています。
特に、一番最後の「魔法の言葉」は必見です!
・具体的な罰金や罰則
・未成年者に飲酒を販売する最大のリスク
・年齢確認する際の超便利な魔法の言葉
これらを知っているかどうかで、店舗に起こり得る事案に対するリスク管理ともなりますので、店長として最低限知っておくべき内容となります。
未成年者飲酒禁止法の概要

未成年者飲酒禁止法の概要
未成年者飲酒禁止法では、未成年者の飲酒を禁止し、また親権者やその他の監督者、酒類を販売・供与した営業者について罰則を定めています。
以下、ちょっと堅苦しいですが、酒類を扱うお店の店長は必ず一度は目を通しておかないといけない内容ですので、お付き合いください。
1922年(大正11年)3月30日に公布され、1947年(昭和22年)5月3日の日本国憲法施行に合わせて改正された後、未成年者の飲酒は喫煙とならんで、青少年の非行の温床になるという懸念を背景に、その取締りを強化するため、1999年(平成11年)、2000年(平成12年)、2001年(平成13年)に相次いで改正された。
~wikipedeiaより
未成年者飲酒禁止法の内容
1条
満20歳未満の者の飲酒を禁止する(1項)。
未成年者の親権者や監督代行者に対して、未成年者の飲酒を知った場合に、これを制止する義務を規定する(2項)。
酒類を販売する営業者(酒屋、コンビニエンスストアなど)又は供与する営業者(飲食店、居酒屋、スナックなど)が、満20歳未満の者に対して、飲酒することを知りながら、酒類を販売又は供与することを禁止する(3項)。
酒類を販売する営業者又は酒類を供与する営業者に対して、満20歳未満の者の飲酒を防止するための、年齢確認その他必要な措置をとるものとされる(4項)。3条
未成年者自身が飲酒することを知りながら、未成年者に酒類を販売・供与した営業者に対して、50万円以下の罰金を科す(1項)。
未成年者の飲酒を知って制止しなかった親権者や監督代行者に対して、科料を科す(2項)。4条
酒類を未成年者に販売・供与した法人の代表者又は法人若しくは自然人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人又は自然人の業務に関して前条第1項の違反行為をしたときは、違反行為者を罰するに止まらず、その法人又は人に対し同項の刑が科される(両罰規定)。~wikipedeiaより
具体的な罰金や罰則?販売者や親権者はどうなる?
以上、堅苦しく未成年者飲酒禁止法について記載しましたが、未成年にお酒を販売した販売者への罰則はというと、後述する酒類販売業免許取り消しと、50万円以下の罰金です。
つまり、飲食店であろうと量販店であろうと、そのお店・会社・もしくは、販売提供した従業員に罰金が科される事になります。
まぁ、当たり前ですが、未成年に酒は売るなってことですね。
あと、直接店長には関係ないかもしれませんが、一般的にありそうな事例として、親権者が未成年と知って酒類を提供した場合です。
親が子供に軽い気持ちでお酒を勧めたりする事があると思うのですが、これは絶対にNGです。
なぜなら、その場合、親権者には、前科と科料(1万円未満の低額の罰金のようなもの)が科されるからです。
特にポイントは、親権者に「前科が付く」という事です。
前科が付くと社会的信用を落とす事にもなりますし、国家公務員や自衛隊・教員になる資格を取得する事ができなくなります。
基本的には前科は本人にのみ科せられるものではなりますが、その子供が将来に渡り社会生活を営むにあたって、マイナスに作用する事も考えられなくはないかと思います。
ですので、親が未成年の子供に酒をすすめるなどということは言語道断、という事です。
最大のリスクは酒類販売業免許取り消し

最大のリスクは酒類販売業免許取り消し
未成年者の飲酒を知りつつも制止しなかった親権者やその他の監督者は、科料に処せられ、酒類を販売・供与した営業者とその関係人は、50万円以下の罰金に処せられる。また、罰金の刑に処された営業者などは酒税法の「酒類販売業免許の取消要件」に該当することになる。
~wikipediaより
未成年に酒類を販売してしまった時の最大のリスクは、「酒類販売業免許取り消し」です。
単純に、そのお店で酒を販売する事ができなくなるということです。
つまり、居酒屋であれば、もはやただのご飯屋さんになってしまいますし、小売店であれば通常の酒類の売上がゼロになってしまいます。
営業を取り消される訳ではないですが、こうなってしまうと、近隣のお客様にもそういった噂は流れるでしょうし、風評被害も少なからず想定しておく必要があります。
そう考えると、「酒類販売業免許取り消し」は、酒類を販売する以上、絶対に避けなければならない内容だと言えます。
実際未成年に酒類を販売したらどうなるか
これは実際うちのグループ店舗であった話です。
うちは量販店なので、未成年がお酒を購入しないようにレジで声かけをしています。
が、当然100%防げる訳ではありません。
そのすり抜けて販売されてしまったお酒を、こっそり身内で飲んでもらう分には別にどうでもいいのですが、問題なのは、未成年が酒を飲んで何か問題を起こした場合です。
うちの場合、その未青年が問題を起こして警察に沙汰になってしまったんです。
当然警察は、起こした問題も去ることながら、酒を飲んでる事が分かると、その酒はどこで買ったんだ、という事になるわけです。
ここで、矛先が急にこちらに向いてきます。
警察が店にやってきて、店長はもちろん、酒類販売管理者、実際に未成年に酒を販売したレジ販売員、これらの人に対して聴取される事になりました。
後日、酒類販売を管轄する国税からも連絡が来ました。
幸い「酒類販売業免許取り消し」には至りませんでしたが、アルバイトのレジ販売員も直接聴取を取られる等、会社としては面目丸潰れというやつです。
社内的には、当然店長にはそれなりの処分が下りました。
それ以外にも、後日国税の査察が入り、酒売場の未成年に対する酒類販売抑止のポスターやPOP等の細かい掲示、さらには店舗レイアウトの確認と酒類販売免許に記載された内容のつけ合わせ等。
とにかく、その後の手間ひまは計り知れません。
最悪の場合、販売したその店舗だけでなく、法人として罰則を受けるリスクもありますので、うちの場合は本社が馳せ参じ、関係者との調整をしていました。
そういった諸々を考慮しても、やはり未成年に対する酒類販売のリスクはなんとしても回避する必要があります。
この法律の矛盾点
ここで、個人的にものすごく矛盾を感じるのですが、未成年者飲酒禁止法法は、未成年者の飲酒を禁止し、未成年者自身の飲用目的での販売・供与を禁止しているだけであり、未成年者が酒類を所有・所持することは禁止されていない、という事です。
つまり、酒を飲んでも、その未成年者本人を処罰する規定が無いので、未成年者本人は刑事処分されない、という事なんです。
未成年が酒を飲んでもお咎めなしです。
う~ん、なんだかねぇ、じゃないですか?
未成年はまだ自身による判断力に乏しい、だから親権者や監督者が処罰される、という事なんでしょうかね。
別にいいっちゃいいんですけど、なんか腑に落ちないんですよね。
私はあまり法律自体には詳しくないのですが、これについて詳しく分かる方いらっしゃいましたら、是非ご教授くださいませ。
年齢確認する際の超便利な魔法の言葉

年齢確認する際の超便利な魔法の言葉
未成年に酒類を販売しないために、未然に何が出来るのか?
飲食店でも小売店でも言える事が、実際酒類をお客様に手渡す時、またはレジを通過させる時に年齢確認をする、という事です。
具体的な声かけ方法は?
では、具体的にはどういった声かけをすればいいのでしょうか?
それは・・・

「お若くお見受けいたしますが、顔写真付きの身分証明書はお持ちでしょうか?」
これです。
個人的に、これはもう年齢確認の魔法の声かけだと思っています。
この言葉、何がすごいかって、実際に未成年のお客様にも、成人のお客様にも、両方に使えるということです。
未成年の場合、この言葉を聞くと、やっぱりドキッとした表情をしますし、今はそんな証明書は持っていない、と言ってきます。
そう言われたら、
「年齢確認が出来なければ販売する事が出来ません」
と断ればいいですし、成人の場合、特に女性の場合は、逆にこの声かけをすると喜ばれます。
喜ばれるというと語弊があるのですが、
「あらやだ、私未成年に見えるんですって」
と、微笑ながら免許証などを見せてくれたりします。
身分証を提示いただけたら、
「ご協力ありがとうございます」
と一言かけるのをお忘れなく。
ということで、未成年に対する年齢確認をする際には、
「お若くお見受けいたしますが、顔写真付きの身分証明書はお持ちでしょうか?」
このフレーズを是非使ってみてください。
実際使ってみると分かるのですが、驚く程効果がありますよ。
もしあなたのお店の接客マニュアルにこの文言がないのであれば、ぜひこの一文を加える事をおすすめします。
まとめ
では、ポイントをまとめます。
・販売店は酒類販売業免許取り消しの可能性
・親権者は最悪の場合前科者になるリスクあり
・魔法の言葉は「お若くお見受けいたしますが・・・」
以上のようになります。
とにかく未成年に酒類を販売する事に対して、年々国税の目も厳しくなってきています。
販売価格についても酒類販売に関してはうるさいですし、たばこもそうですが、本当税金のかかる事に関してだけはお役所の方って敏感なんですよねぇ。
もっと他にする事あるでしょうに・・・
という事で、あなたのお店では未成年に対する酒類販売のリスクは事前に避けられるようになっていますか?
明日からではなく、今すぐに再度チェックしてみてください。
ポイントは、
「お若くお見受け致しますが・・・」
ですよ(笑)
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